
たまご
@reading-egg
2026年5月9日
舟を編む
三浦しをん
読み終わった
ずっと気になっていたけれど読めていなかった一冊。
CORECOLORのコラムで紹介されていて、「あ、読もう」となった。
辞書ってこんなに手間と時間をかけて作られているんだ。知らなかった。私も、麗美と同じく、使っていた辞書の名前なんて覚えていない。あんまり気にしたこともない。
紙の「ぬめり感」も考えたことがなかった。ただ、分かるなと思った。読みながら脳裏に浮かべていたのは、職場にある分厚い広辞苑。ケースから出すのも一苦労する厚さ。めくるとき、不思議と紙が重ならない。でも、妙に吸い付く感じがする。あれが、ぬめり感か。無意識に感じていたことに言葉がつくのって、面白い。
一つの言葉を増減させるたびに、パズルのように行数をやりくりする作業は、かなり思いあたる。似たような業務をしているから。1ページに収められる行数は決まっていて、一つの記事の増減で並びを組み替えたりしながら、うまく収まるように調整していく作業、わりと好きだ。ぴたっとハマると達成感がある。見た目も整えつつ、並び順にもこだわりたい。担当者によってはあまりこだわりのない人もいて、そこら辺は自己満足の世界になっていくけど、同じ温度感で作業している同僚もいて、仲間だなぁと思う。
登場人物たちの恋が叶っていくのも、良かったな。現実はそううまくはいかないだろ、とも思ったけど、そっちが順調に進んでいるから、本筋の辞書作りの話に集中できる感じがした。
これから辞書を手にするたびに、その製作過程に思いを馳せそう。



