7 "BUTTER" 2026年5月10日

7
@351316g
2026年5月10日
BUTTER
BUTTER
柚木麻子
メガヒットであることは承知の上で、引き込まれる物語という感じではなかった。でもそれは人間を本当に緻密に文章に落とし込んでいるからだと思う。普通に生きてる人間、しかも他人に没入出来る方がおかしいんじゃないか。 全編通せば一番共感出来たのは里佳だった。里佳がある出来事に打ちのめされた時、友人を頼れなかった描写に本当に共感した。以前に人を頼るだけのことがなぜ出来ないんだ、プライドがどうのこうのと言っておきながら、自分が助けられるべき弱い立場になれば、それが出来ない。助けを求める事ができる人の強さを思い知る。自分が病気になった時まさにこんな感じだった。 自分を守るのも、他人に頼るのも、振り切ってしまえば諸刃の剣なんだと思う。大切なのはそのバランスで、それは個人によって塩梅が違うから、人生の中で模索していくしか無いんだろうなと思った。 この小説が安易に「自分を大切に!」とか「人を信用しよう!」みたいな0か100を投げかけるものでないことに心から安堵します。願わくば、私にとっての伶子みたいな人が手を差し伸べてくれた時、迷いながらも握り返せる自分になりたい。そして手を差し伸べられる自分でありたい。
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