読書猫 "幽霊たち(新潮文庫)" 2026年5月3日

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2026年5月3日
幽霊たち(新潮文庫)
幽霊たち(新潮文庫)
ポール・オースター
(本文抜粋) ”まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。“ ”彼はこう思う。何が起きたかを書いたところで、本当に何が起きたのかが伝わりはしないのだ。報告書を書く経験においてはじめて、彼は、言葉がかならず役に立つとは限らないということを思い知る。伝えようとしている事物を、言葉が見えにくくしてしまうことも時にはあり得るのだ。“ ”書物はそれが書かれたときと同じ慎重さと冷静さとをもって読まれなければならない。彼は一挙に理解する。こつはゆっくり読むことなのだ、と。言葉に接するときのいつもの速さを捨てて、じっくり読み進めることなのだ。“ ”書くというのは孤独な作業だ。それは生活をおおいつくしてしまう。ある意味で、作家には自分の人生がないとも言える。そこにいるときでも、本当はそこにいないんだ。 また幽霊ですね。 その通り。 なんだか神秘的だ。“
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