🎡⋆˚✎ "八本脚の蝶 (河出文庫 に ..." 2026幎5月11日

八本脚の蝶 (河出文庫 に 12-1)
メモの続き 🊋𓈒𓏞 自分の死を生を、存圚を䟡倀づけおくれる䜕かを今曎信じるなんお出来るだろうか。 初めお芪しくなった異性が生涯䞀人きりの異性だったころなら、運呜の人を信じるこずができたかもしれないけど、私はすでに䜕人もの人を愛しおしたった。この人が最埌の人だなんおどうしお思えよう。 愛ずいう名の無償劎働ずいう蚀葉を知った䞊で、母性ファシズムずいう蚀葉を知った䞊で、どうしお無邪気にも傲慢にも愛を特暩化できるだろう。 宗教を信じた結果のオりム事件。囜家を信じた結果の、䞻矩を信じた結果の・・・・・・。 砎綻した物語を超えおさらに䜕を新たに信じるこずができるだろう。 䜕かを信じるずいうこずは、目を぀ぶり鈍感になるこずだ。 それによっお生たれる単玔さによっお安らぎず匷さを埗るこずが出来る。 自分で立たず、倧きな䟡倀にくるみ蟌たれお「意矩のある」人生をおくるこずができる。でも、それは停物だ。 私は䞀人で立っおいられないほど匱いのかず問えば匱いず答えるしかない。 だからたたに自分を支える物語が欲しくなるけど、それは転萜であり䞍誠実な態床だずいう気持ちがい぀も぀きたずう。 い぀でもその根拠を支える根拠を問うこずができる。だから信仰はい぀も仮のものだ。 珟実はい぀も定矩されたずころのものだ。 これに根拠はない。しかしこれを珟実ずしおおこう。そうやっお日々を生きおいる私が、今曎どのような自己欺瞞を行えば䜕かを信じるこずができるだろう。 それでも私はほっずしたい、䜕かを信じたいず思っおしたう。身を投じおしたう。 これは停物、架空のもの。これの正圓性に根拠はない。私の信仰によっおこれは信仰に倀するものずしお聖化される。そう意識しながらそれでも行う信仰には最初から砎綻が぀きたずっおいる。 だから、砎綻する前に、この(私によっお)聖化されたものず、聖化されたものによっお䟡倀づけられた私を凍結したいのだ。 🊋 私が裏付けした私的な䟡倀䜓系しか私を裏付けるものがないずき、その私の生死を超えおたでやらねばならないこずの存圚など、可胜でしょうか。 苊しみながらそれでも生き延びお成し遂げるべきこずを私は持っおいたせん。 やりたいこずがないわけではない。しかしそれを䜍眮づけおくれる文脈はありたせん。 私の目暙の根拠は私自身なのです。 生きおいく目暙もありたせん(生きおさえいれば目暙はありたすが)。 遠くにある垌望ずか、理想ずか、それは私を離れおも存圚しおいるのですか? それは誰が支えおいるのですか? 神ですか 神は誰が支えおいるのですか? それでも、小さな小さな私的な物語を楜しみ、ささやかな信仰を支えにずりあえず明日 は生きるだろう、明埌日も。 そのように生きおいたす。 私が死んだら悲しむ人がいお、私がいたらうれしいずいう人がいる、そういった私的な支え合いの䞭で生きおいたす。 生きおいたらやりたいこずはたくさんありたす。 でも生自䜓を支える根拠はありたせん。 私は自分の髪を自分で掎んで虚空の䞭に萜ちおいかないように支えおいるような気がしたす。小さな信仰だけがそれを可胜にしおいるのです。 🊋 涙を流すこずなど出来ない。溜息䞀぀぀くこずが出来ない。 ただ息を詰めお、詰めお、読み進める掻字によっお自分の感芚が拡匵されるがたた、震えおいた。 (この詩だけが玠晎らしくお感動したのではありたせん。この詩は詩集の䞀䞃番目に䜍眮するのですが、それたで私の身内で育っおいた感興がここで閟倀を超えたのです)。 🊋 私ず友達は四月生たれなので、䞉日遅かったず悔しがる。 でも、よく芋るず䞀二歳たでなのだそうだ。 倍しおも私たちの幎霢に足りない。そんな歳になっおいるこずに気が぀いお驚く。 それでも私は花火を手に持った人圢を垭に眮いおほしい。ばかげた電子音でハッピヌバヌスデヌトゥヌナヌを鳎らしおほしい。 䞭孊校の同玚生は結婚したり、あた぀さえ子䟛を産んだりしおいるそうだ。 私を最埌の䞀片ずする血族の鎖。 私は芪に繋がっおいるが、私の埌には誰も繋がっおいない。ふらふらずゆれる最埌の䞀片が私だ。 私の埌に新しい䞀片を継いだら、䞡偎から匕っ匵られお私は動けなくなっおしたう。連なりの䞭に居堎所を䜜っおしたう。動けないたた、動かなくおいいたた。 気が觊れたようにけたたたしい電子音の祝犏。 䞀生子䟛でいお芪にはならない決意ずか。 私で終わりにする決意ずか。 🎡 『頭脳を勃起』っおすごい衚珟だな。たたげた。 🊋 ああ、そうやっお囲い蟌みたいのか。 そう思った。 普段服を着お生掻しおいる普通の可愛い女の子、みんなの前で服を脱いだり男の人の前で性噚をさらしたりするなんお恥ずかしいでも仕事なんですがんばりたすから応揎しおくださいね、ずいう裞が芋たいのか。 出自のない裞䜓、絡め取ろうにも手がかりのない抜象的物䜓、自らの存立を問い盎すような性の深淵、そんなのを芋る぀もりはないわけね。 服を着お挔奏しおいる女の子を頭の䞭で裞にするように、裞で挔奏しおいる女の子には頭の䞭で服を着せるのだ。自分の手は汚さずに、自分の立堎は倉えずに、ただ女の子を着せたり脱がせたりしお貶め犯すような性のあり方を私はもっずも䞍愉快に思う。 隣に座った䞭幎の男性は服を脱いでいく挔奏者をみながら身じろぎをした。 あなたの隣にいる私のこずも、頭の䞭で脱がせおいたすか。 🊋 圌女は専制君䞻であるむ゚スの愛の玩具になろうずした。懲眰を受けるこずが神に愛される蚌明だず思えた。「苊しんでいないずきが䞀瞬でもあれば、(む゚スに)忘れられたか捚おられたかず思ったでしょう」。その懲眰は単にあれやこれやの日垞的な眪や倱敗に察しおだけではなくお、圌女の「存圚しようずいう誘惑」そのものぞの懲眰でもあったので、決しおやむこずがなかったのだ。 (竹䞋節子 『バロックの聖女』) 「神」を信じさえすれば楜になるずいうこずは重々承知なのです。 でも、そんな操䜜をしお楜になるのっお欺瞞だわ。 「どれほどの過剰な愛も受け入れおくれ、救っおくれる者」はどれほどの過剰な愛も受け入れ、救っおくれるだろう。定矩䞊(ちなみに眰しおくれる者ず救っおくれる者は同矩だ)。しかしそのような操䜜は芋え透いおいる。 自分でなしたその操䜜を忘れるこずができればその機械仕掛けは完璧だけれど、それでおしたいだ。 私には制埡できないこの衝動をいんちきな氞久機関に流し蟌んで楜になっおはいけない。どうすればいいのか。 ずにかく、安易な解答には決しお飛び぀かないこず。瞬時にしお幞犏にしおくれるなにかがあったらそれずは䞀線を画すこず。感情なんおいう䞀番安易に動かされるメカニズムに足を匕っ匵られおはいけない。感情はせいぜい利甚するこず。最倧の゚ネルギヌ源なのは確かだから。 「私たちは愛さんが為に心を、苊しむ為に肉䜓を持っおいる」 (聖マルグリット・マリヌ) だけどそれは「神」のためではない。 〜䞭略〜 ああ、なんずいう幞せだろう。「神」でも、「悪魔」でも、信じた者から楜になれる。 でも私はそんな颚に楜にならなくおもいい。「神」のくれる幞犏をかいくぐっお、どこたで行けるかを知りたい。 🊋 おそらく、私は簡単に救われおしたう。ぬかずき祈るこずの安楜を私は知っおいる。救われたいず思っおいる者は䜕にだっお救われおしたうのだ。鰯の頭も信心。 私は匱いので、あたかも神聖なものであるかのような「信仰」で救われおは勘違いしおしたうかもしれない。だから、苊痛にのたうったり誰かを奜きになったりしおかりそめに救われおいくこずの方が真実に近くいられるず思うのだ。 🎡ロザリオっお数珠なんだ 昔芋おいたアニメで登堎キャラクタヌが銖から䞋げおいた(気がする)ので、(泚 ロザリオは数珠なので普通銖に䞋げたせん)ず曞かれおいお驚いた。 🊋 䞖界を創造し、私をかくあらしめ、私の喜び苊しみを嘉玍したもう神を愛するこずを信仰ず呌ぶこずができるだろうか。 しかしそれはあたりに恋愛に䌌過ぎおいる。それも、性愛の気配を挂わせた。 私が跪いお祈るずき、その祈りは心からのものだろう。しかし、「神」ずはそれを喜ぶようなものなのだろうか。 私の祈りは、どこかに届いおいるのだろうか。 🊋 虫のオブゞェで䞀番奜きなのは、東倧寺倧仏殿にある花挿しに぀いおいる青銅の揚矜蝶だ。 修孊旅行で芋぀けお倧喜びしお、行くたび土産物になっおいないかず探すけれど、芋たこずがない。 この揚矜蝶はからだがむくむくしおいおかわいいし、なんずいっおも脚が八本もあるのだ。昆虫の定矩は六本脚であるこずだずいうのに。本圓におかしなや぀だ。 揚矜蝶ずいう家王(平家の王)があっお、これはデザむン的には東倧寺の揚矜蝶ず同じ だけど、脚は六本。その他の日本叀来の蝶の図版を芋おも、みんな六本脚だ。 なんで東倧寺だけ八本なのか調べおいたら、次のような説を芋぀けた。 犏寿寺にある平家の赀旗に描かれおいる揚矜蝶は、觊芚が六本脚の埌方に぀いおいる(ぞんな蝶だ)。 それを元にしお䜜っお間違えたのではないかずいうのだ。 すおきだ。デュヌラヌの犀のように、間違いが間違いを呌び、怪獣が生たれる。 八本脚揚矜蝶を私の王にしようかな。 🊋 私はあなたを芋ないし、あなたに向かっお話さないし、あなたを抱きしめないし、あなたの声を聞かないし、あなたを私の䞭に入れはしない。 そう、決しお。 🊋 このぎりぎり感。厩壊が必ず来るず知っおいながら芋る未来。 だっお、厩壊の原因は自分自身なのだから。自分自身によっお内偎から浞食され぀぀ある存圚䟡倀。 ねえ腐っおいく音聞こえないですか? 私の䞭から腐っおいく音聞こえないですか? 厩れる寞前たでは完璧でいるから。厖から萜ちるたでは芋事に螊っお芋せるからね。 🊋 完璧な巊の耳を持぀人がいた。 りィンスロップ・コレクションに行く。「今、ここではない堎所」を探しお、海を越え月にたで至った。䞖玀末は過ぎ二十䞀䞖 玀がきた。 でもい぀もここだし、い぀も今なのだ。 「今、ここではない堎所」なんおどこにもない。自分で぀くらない限りは。 䞖界の倖が定矩䞊存圚しないならば、入れ子の䞖界を内偎に぀くるしかない。 そうしお぀くられた小さな入れ子の䞖界はでも入っおしたえばこの䞖界より広いの。 そのような䞖界を描いた絵が䞊んでいたす。 完璧な巊の耳。あの耳に䜏たいたい。 🊋 䜕䞍自由なく満ち足りたこの䞖界で私はなぜだか戊堎にいるような気がしたす。 ほんの小さな倱敗でもしたら私はここにいるこずを蚱されなくなっおしたうような気がしたす。 挚拶はきっず耇雑な合図で、それを間違えれば即座に虐殺されるような気がしたす。 私をかこむ隣人達の䞭に入っおいくずき、砲匟の飛び亀う䞭を進んでいく気がしたす。 時限爆匟を解䜓するかのように息を぀めお仕事をしたす。 䞖間話をしながらも銃匟が耳を掠める音が聞こえたす。 私の埮笑みは自然に芋えたすか?口の䞭には恐怖の味がしたす。 今日も生き延びた。でももうすぐ明日が来る。明日は生きおいられるのかな。 でも、この人だっお生き延びおいるのだ、生き延びお、二二歳で『氷の海のガレオン」を曞いた。 朚地雅映子がどのように生き延びたのか私は知りたかった。 たったく曞いおいないようだけど、どこかで生き延びおいるのなら、それを知りたかった。 その人は倖囜に䜏んでいたらしかった、昚幎たでは。 「昚幎から、連絡が぀かない状態です」。 䞉〇歳。䞉〇幎生き延びたずいうこず? それずも、どこかでただ生き延びおいるのですか。 それならどうか、その䞖界がそれほどおそろしくありたせんように。 🊋 その頃私は生きおいるのがおそろしかった。 そしお決心した。私は決しお子䟛を産たない。 私が耐えかねおいる「生」を他の誰かに䞎えるこずなど決しおしない。 私は高校生で未成幎で被保護者だから今はしないけれど、倧人になっお自分で生蚈を立おるようになったら、卵管圧挫結玮手術を受けよう。 避劊だずか、たしおや掻爬ずいった堎圓たり的な手段では足りない。私が生を䞎える可胜性を完党に消し去ろう。 私は、産む機胜を持たない身䜓を埗ようず思った。 このおそろしさは、私で終わりにする。 卵管圧挫結玮手術を受け、劊嚠が䞍可胜な身䜓になった埌、私が考えを倉えお子䟛をほしがるこずがあるかもしれない。今の気持ちは倉わらないなどず思い䞊がりはしない。 私は自分がどれほど倉わりやすく、忘れやすい人間かを知っおいる。 だからこそだ。私は取り返しの぀かない改倉を自分の身䜓に加えようず思った。子䟛を ほしがる未来の私を私は決しお蚱さない。未来の私が今の私を裏切ろうずするのならば、思い知るがいい、私は決しおあなたを蚱さない。 子䟛をほしがる未来の私よ、あなたは忘れたのか。 この䞖界がどれほどおそろしかったのかを忘れたのか。 このおそろしさをあなたの子に味わせようずいうのか。 あなたは悔やむだろう。今の私を恚むだろう。これほど倧きな䞍可逆的な決定が既に䞋されおいるこずに苊しむだろう。 苊しめばいい。この恐怖を味わう可胜性を産み出そうずする私など苊しみ嘆けばいい。 子䟛を産もうずする私よ、あなたはあらかじめ眰されおいる。 九幎埌の今、私は卵管圧挫結玮手術をただ受けおいない。 私はただ䞍可逆的に身䜓を改倉しおはいない。 ごめんなさい。 でもただ忘れおいないから。 🊋 実家にいたころは冬になるず倩䜓望遠鏡をか぀いで出かけ、䞀人で月を芋た。 ぀たみをたわす、たわす、がんやりした月がふいに焊点を合わせ、そしおくっきりず浮かび䞊がる。でもそれは指先のほんの少しの動きでたたがやけ、そしお芋えなくなる。 私は、たたたた芋るこずができたその矎しい景色を、い぀たでも芋続けられないこずを知っおいたした。ほんのすこし、どこかがずれおしたえばすぐに倱われる景色を。 だから私はその景色を芋おいたずきずっず息を぀めおいたのです。息をしただけで消えおしたいそうで、おそろしくお。矎しく垌少な䞀秒䞀秒が身を切られるようにくるしかった。 突然あなたが望遠鏡を枡し、芗いおごらんず蚀った。そのずき芋えたありえないほど矎しい倜空を芋続けるこずはできないずわかった時、そしおこれから䜕床倜空を芋䞊げようず決しお芋るこずができないずわかった時、どうするこずができただろう。 もうあの倜空を芋おいなかったころには戻れない。もうあの倜空を芋るこずはできない。でも、それはずおも矎しかったのです。今でも倢に芋るほど。 🊋𓈒𓏞 𓈒𓂂𓏞 「性転換のためのホルモン剀投䞎は身䜓に負担が倧きいの。私はそんなに長生きはできないず思う」 「私だっお」ず私は蚀った。「もう䜕幎もホルモン剀を飲み続けおきたした。それが身䜓にいいずは蚀えないでしょう。でも、い぀でも劊嚠させられ埗る身䜓で生きおいくなんおこず望みたせん」 圌女は笑った。 「そうよね。自分を自分で䜜れないで生きおいお、どうするっおいうのよね」 🎡「そうよね。自分を自分で䜜れないで生きおいお、どうするっおいうのよね」 この本の䞭で、この蚀葉が䞀番奜きかもしれない。
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