
akamatie
@matie
2025年4月15日

心的外傷と回復
ジュディス・L.ハーマン
読み終わった
読了後、実感が伴ってきたので改めて書き留め。
回復の土台にはまず安全が必要だということ。心と体が落ち着ける環境があってこそ、ようやく傷と向き合う準備が整うというのは、実感を伴って納得できる。
そして何よりも、孤独が人を深く傷つけるという指摘に強く共感した。誰ともつながっていないと感じることが、痛みを何倍にもしてしまう。一方で、誰かとつながれることが、少しずつでも回復への足がかりになる。
復讐や、加害者に罪を認めさせようとすることは、一見正しいように思えても、自分をもっと疲弊させてしまうこともある。だからこそ、自分の傷つきに気づいて受け止めることが、なにより大事な一歩になる。
そこから、自分の人生を少しずつ再構築していくことができるようになるし、もし加害者に責任を取らせることがあるとすれば、それは自分のためというより、これから同じような被害を減らすための行動として意味がある。
そして、人を助けることが、自分を助けることにもつながるというのもその通りだと思う。誰かの痛みに寄り添うことで、自分の痛みも少しだけ癒えることがある。
最後に、「メンタライゼーション」という考え方が紹介されていて、これは回復の仕上げのようなもの。自分の感情や感覚に丁寧に目を向けることで、他人との関係にも深みが生まれていく。共感だけじゃなくて、私はいまどう感じている?を問い直すことが、他者理解の道にもなるのだと感じた。

