
ちょこ
@chocorate
2026年5月11日
ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
大前粟生
読み終わった
表紙とタイトルで借りた。
てっきり勝手にエッセイかと思ってたら小説×4だった
表題作、ひとりの視点かと思いきやいろんな人の視点描写がちょいちょいはいってきて新鮮だった。口語体な感じですらすら読めた。なんだか古賀及子さんの文体に通ずるものがあるような気がする。
傷つきやすい人、考えを巡らせすぎてしまう人たちのいきづらさの話、かな〜。自分の言動が、誰かの迷惑になってないかとか傷つけてないかとかって、考えちゃう人、何にも気にしない人いろいろいるよね。中学高校にあるノリがしんどいこと、あるよね。
相手に期待していた反応と、ちがったときの反応やモヤモヤ感の部分なんだかわかる、となった。
--どうしてこんなこというんだろうと七森は思った。こういうこというひとだって知らなかった。(中略)七森は白城がいったことに同感できなくて、恋人と言い争ったりするのが嫌であんまりもう、この話をしたくなかった。SNSに流れてきた猫の画像を白城に見せると、それで白城が笑ったから、七森にうれしさがやってきた。夜中の浮かれを思い出すように顔が笑う。七森はぽかぽかする。心の奥はつめたくなっている。
七森(主人公)の麦戸ちゃんへのおもいが不思議だった。白城につきあおうと言ったのに、白城より麦戸ちゃんの方が好きだって自覚してる。友だちの関係が消えていくのがこわくて、無理に恋愛するのはやめておこうと思ったらしい。で、白城にものすごく失礼なことだということも自覚している。なるほど。
--ひとから大丈夫かと聞かれたら麦戸ちゃんは大丈夫というしかない。その感覚は七森にはわかるものだったから、なんにも聞かなきゃよかったなと思った。
七森と麦戸ちゃんの仲良くなりかたとかなんかいいなーって懐かしくなった〜
麦戸ちゃんが大学にこなくなって、でもそのあとまた行くようになった時の周りの反応の描写がなんか印象的だった
--みんな、麦戸ちゃんになにがあったかは聞かなかった。やさしいから。それは無関心であることと、とても近い。(中略)やさしさって痛々しい。あぶない。やさしさがこわいと白城は思う。
--「つらいことがあったなら、話を聞くよ。話を聞かせて?僕もきみに話すから。ひとに話すのがまだしんどいなら、ぬいぐるみが話を聞いてくれる。みんな、やさしいんだよ。」(七森)
やさしすぎるんだよ、と白城は思う。傷ついていく七森と、麦戸ちゃんたちを、やさしさから自由にしたい白城は、ぬいぐるみとしゃべらない。
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さいごの、だいじょうぶのあいさつ、はなかなか結構難解だった。
