
K
@readskei
2026年5月12日
見えるか保己一
蝉谷めぐ実
読み終わった
直木しょ……あ、候補作すら未発表でしたか失礼しました。誰にともなく変な敬語が出る。作品への敬意ということにしよう。類書まれなる伝記ふう小説。
ベートーベンもそうだが、障害がある「のに」偉業を成した人物は称えられがち。晴眼者の身で同情的な「上から目線」を浴びせるでもなく、一方で聖人扱いはせず、かと言って差別を助長もしない、「盲目の天才」を描く蝉谷氏のバランス感覚が驚異的だった。
どこが圧巻とも言いがたい。強いていえば第3章と最終章か。証文の海も泣けた。
塙保己一は何に恵まれ、何に甘えていたのか。彼に見えなかったものを、見せてもらってしまった。

