とうひ "正欲" 2021年5月3日

正欲
正欲
朝井リョウ
「多様性」今の時代にまるで正義かのように飛び交っているその言葉が、いかに浅はかなものなのか。 結局自身の想像の範疇に収まる程度の個性についてしか考えが及んでいないも関わらず、この世の中の個性や感情の全てを許容し理解があるかのような偽善。 多様性とかそういうことを必要以上に叫ぶ世の中に感じていた気持ち悪さを、すべて文字にして現されたようなそんな小説。 なんで人は他人に関して必要以上に干渉してくるのか。ずっと感じていた疑問。 女子なら多分経験したことのある、 服装、お化粧、髪型、そんなことに関していちいち直接意見をしてくる他人。 まるで自分が上に立っているかのように、査定をしてくる他人。 ずっと気持ち悪いと思ってた。 違う人間なんだから、自分から見たらおかしいな、変な服装だな髪型だなって思うことはあると思う。あくまで自分から見たら。 だからってその個性に関してバカにするようなことを直接言いたく無いし、それを直接受け止めた人がどんな気持ちになるのかを考えて行動してるつもりでいる。 服装や髪型、容姿に限った話じゃ無い。 そう言う気持ち悪さにいろんな場面で遭遇する。 私は踏み込まないじゃん。 だからこっちのこともほっといてよ。 そんな気持ちになることがしょっちゅうあって、その度に人と距離を置きたくなる。 私は多分周りの人よりもそこに気持ち悪さを感じやすいから、居心地が悪くなるとその人と距離を置いてしまう。 だから友達少ないんだろうなあ。 私はこの小説の中で言えば紛れもなくマジョリティ側の人間だけれども、それでも日常に感じていた違和感や気持ち悪さの原因をしっかり炙り出されたような。 そんな小説。
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