とうひ "奔流の海" 2022年2月21日

とうひ
@ohirune_touhi
2022年2月21日
奔流の海
奔流の海
伊岡瞬
幼い頃から当たり屋として父親に使われてきた少年の物語。 衝撃だった。 これが完全なフィクションなのか、それとも現実世界のどこかで実際に起こっている話なのか、何不自由ない生活を送らせてもらってきた私には想像もつかなかった。 親から虐待を受ける人、子に虐待をする人、そこに手を差し伸べる人、差し伸べられた手を素直に握れない人。この小説にはさまざまな立場の人間が出てくるけれど、一度でもそんな経験をした人たちが心の底から幸福だと言える人生を送れることってほとんど無いのかもしれないと思った。悲しいけれど。 傷を抱え、秘密を抱え、生きて行くんだな。 残酷なストーリーの中にも愛を持った人たちが出てきて、小説の内容としてはとても良かった。ただ全体を通してぬるっと真実が明かされていく感じが、緩急がしっかりしていかくて少し苦手だった。 帯の、「読み終えた時、あなたはきっと涙する」に惹かれた部分もあって手に取ったけれど、ストーリーの盛り上がり部分みたいなところが無くて、あまり感情が激しく動くことは無かった。
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