とうひ
@ohirune_touhi
2022年2月28日
ガラスの海を渡る舟
寺地はるな
読み終わった
みんな誰しもが他人とは違うなにかを持っていて、それが周りから見えやすい人もいれば気づかれにくい人もいる。
見えやすい人は「才能」だと賞賛されあるいは「変」だと揶揄される。
気づかれにくい人は「普通」だと定義されて、それに悩みながら生きていく人もいる。
自分の中の他人とは違うなにかを見つけるのってすごく難しくって、さらにそれを自分自身が認めてあげることってもっと難しくって。
でもそれができた時、もっとこの世界は生きやすくなるのかもなと思った。
道のような存在が身近にいてくれたなら、もっと素直にそんな事を考えられたのかもな。
「泣かないでくださいとか、いつまでも泣くなとか羽衣子や山添さんのご主人が言うのは、弱いからです。泣いている山添さんを受け止める体力がないからです」
「前を向かなければいけないと言われても前を向けないというのなら、それはまだ前を向く時ではないです。準備が整っていないのに前を向くのは間違っています。向きあうべきものに背を向ける行為です。」
道の発する言葉はまっすぐで、黒いところが一片もなくて、すんなり心に響いた。
前を向けない人にかける言葉ってとても難しいと思っていたけれど、道のこの言葉がすべてだと思う。
優しくて、透き通っていて、美しい小説だった。