ガラスの海を渡る舟

12件の記録
- S@YunhO3232025年7月13日読み終わった兄目線と妹目線で進んでいくお話。道のように真っ直ぐ生きていきたいし、羽衣子のように感情に全振りでも生きていきたいな、色んな生き方があるよな、と思えた。『死』や『記憶』など深い題材で響くものがあった。 ✍️ "この壺は、そもそも、骨壷用につくってない。薄いし、もろい。物は壊れる。でも記憶は壊れへん。" "記憶にはかたちがないから、壊れることもない。でも、薄れる。遠ざかる。だからとどめておくために物に託す。" "自分の人生から大切な誰かが欠けるたび、人の心はかたちを変える。ガラスの器の縁が欠けるように。不完全な形状の心を抱えて、ぼくたちは生きていくしかない。"
- 六月二十九日@micaname2025年4月18日読み終わった図書館本寺地はるなさんの書く物語は登場人物一人一人がめちゃくちゃ人間味があって、毎日を必死に考えながら生きてるってイメージ すごく読みやすい 兄目線と妹目線で進んでくからお互いの葛藤がこちらからは目に見えるっていうのがもどかしい 言葉にしなきゃわかんないよなあ 仲は悪いって言ってるけどお互いを認め合えてて良い兄妹だったな
- 猫@mao10122025年3月7日かつて読んだガラス細工を通して、ちぐはぐで歪みばかりだった兄妹が少しずつ歪みを直していく。 『羽衣子はこの世に一人しかおらんのやから、どこにでもおるわけがない。』 誰かと比べて、他人軸で自分を測って苦しんでいる羽衣子のことを、そうやって真正面から向き合って言葉を向けてくれる道の純粋さと不器用さに胸がじーん、となったな。 こうやって親身に、まるで自分の事のように、本人に否定されてもまっすぐでいられる道の濁りのない感情が眩しい。 話自体は読み易く大衆向けと感じたが、その中にも硝子のように透明で繊細で、そんな感情達がたくさん散らばっているような本。