ガラスの海を渡る舟
25件の記録
橘海月@amaretto3192025年11月26日読み終わった祖父のガラス工房を兄と継ぐことになった羽衣子。五歳差の道は、幼い頃から変人で苦手が多い。道と違いしっかりものだったはずなのに、ガラス作品は道のばかりが評価されて…。幾年もの月日を重ねた彼らの変化と成長を、親戚のような気持ちで見届けていた。 最近の私の傾向として、何か物語にふれた時に“才能がなかった側”や“達成できない事”の方に強く惹かれる。ハチクロも『おまえレベルの話はしていない』も『神に愛されていた』も。才能があること、自らが天才であることを切望しながらも、そうではないと気づいてからの人生、それらをきちんと描く物語が好きだ。
S@YunhO3232025年7月13日読み終わった兄目線と妹目線で進んでいくお話。道のように真っ直ぐ生きていきたいし、羽衣子のように感情に全振りでも生きていきたいな、色んな生き方があるよな、と思えた。『死』や『記憶』など深い題材で響くものがあった。 ✍️ "この壺は、そもそも、骨壷用につくってない。薄いし、もろい。物は壊れる。でも記憶は壊れへん。" "記憶にはかたちがないから、壊れることもない。でも、薄れる。遠ざかる。だからとどめておくために物に託す。" "自分の人生から大切な誰かが欠けるたび、人の心はかたちを変える。ガラスの器の縁が欠けるように。不完全な形状の心を抱えて、ぼくたちは生きていくしかない。"
六月二十九日@micaname2025年4月18日読み終わった図書館本寺地はるなさんの書く物語は登場人物一人一人がめちゃくちゃ人間味があって、毎日を必死に考えながら生きてるってイメージ すごく読みやすい 兄目線と妹目線で進んでくからお互いの葛藤がこちらからは目に見えるっていうのがもどかしい 言葉にしなきゃわかんないよなあ 仲は悪いって言ってるけどお互いを認め合えてて良い兄妹だったな





猫@mao10122025年3月7日かつて読んだガラス細工を通して、ちぐはぐで歪みばかりだった兄妹が少しずつ歪みを直していく。 『羽衣子はこの世に一人しかおらんのやから、どこにでもおるわけがない。』 誰かと比べて、他人軸で自分を測って苦しんでいる羽衣子のことを、そうやって真正面から向き合って言葉を向けてくれる道の純粋さと不器用さに胸がじーん、となったな。 こうやって親身に、まるで自分の事のように、本人に否定されてもまっすぐでいられる道の濁りのない感情が眩しい。 話自体は読み易く大衆向けと感じたが、その中にも硝子のように透明で繊細で、そんな感情達がたくさん散らばっているような本。- とうひ@ohirune_touhi2022年2月28日読み終わったみんな誰しもが他人とは違うなにかを持っていて、それが周りから見えやすい人もいれば気づかれにくい人もいる。 見えやすい人は「才能」だと賞賛されあるいは「変」だと揶揄される。 気づかれにくい人は「普通」だと定義されて、それに悩みながら生きていく人もいる。 自分の中の他人とは違うなにかを見つけるのってすごく難しくって、さらにそれを自分自身が認めてあげることってもっと難しくって。 でもそれができた時、もっとこの世界は生きやすくなるのかもなと思った。 道のような存在が身近にいてくれたなら、もっと素直にそんな事を考えられたのかもな。 「泣かないでくださいとか、いつまでも泣くなとか羽衣子や山添さんのご主人が言うのは、弱いからです。泣いている山添さんを受け止める体力がないからです」 「前を向かなければいけないと言われても前を向けないというのなら、それはまだ前を向く時ではないです。準備が整っていないのに前を向くのは間違っています。向きあうべきものに背を向ける行為です。」 道の発する言葉はまっすぐで、黒いところが一片もなくて、すんなり心に響いた。 前を向けない人にかける言葉ってとても難しいと思っていたけれど、道のこの言葉がすべてだと思う。 優しくて、透き通っていて、美しい小説だった。




















