
とろん
@toron0503
2026年5月12日
さびしさについて
植本一子,
滝口悠生
読み終わった
植本一子の『かなわない』を読んだときは衝撃だった。
なんというか、なぜこのように考えてしまうのか、なぜ相手にこのような言葉を投げつけて、こういう行動をとってしまうのか。日記という体裁なのでわりと剥きだしのまま、つぶさに書かれているのだけど、まったく理解できず…なぜここまで書いてしまえるのかとすら思うのだけど、それでもそこに書かれていることを自分がまったく思ったことがなかったか、あるいは考えようとして、行動しようとして、先に打ち消したものではなかったか、という自問のようなものが湧いてきて、苦しいのに読むのが止められない、という不思議な読書体験だった。
今作は日記ではなく往復書簡という体裁で、実際はそうではなかったのかもしれないけれど、そのためかとても落ち着いているような印象だった。『かなわない』から10年以上は経っていることや、植本一子の母親との関係が変化していることも大きいと思う。また、互いに慎重に言葉を選んでいる雰囲気があって、それも良かった。日記の方は生っぽさはあってファンも多いのかもしれないけれど、わたしは少し加工された方が好きかもしれない。
滝口悠生は芥川賞作家(日記屋月日のイベントにも出ていた?)ということくらいしか知らなかったのだけど、なんというか感情の流れやクセが自分とかなり似ていた。「怒り」への耐性や、肉親や他人からの距離の取り方、言葉への粘り方など。
彼の書く小説も気になるけれど、エッセイがあれば読んでみたいと思った。
