
jaguchi
@jaguchi87
2026年5月14日
脂肪のかたまり
ギ・ド・モーパッサン,
高山鉄男
買った
読み終わった
おそろしく鋭く、アイロニカルな短篇だった。「脂肪のかたまり」というのは登場する娼婦のあだ名だ。
たまたま乗合馬車に集っただけの人間がそろいもそろってこんな醜悪だなんてことがあるんだろうか、と思いながら読んでいた。平時であれば彼らももう少しマシな言動をとったのではないか。戦争という先の見えない非常事態が彼らをこんなにも醜くしているのではないか。(つまり私も状況によっては彼らに加担してしまう可能性がある)
モーパッサンは普仏戦争への従軍経験から徹底した反戦主義者になったと巻末の解説にあり、ああ、やっぱりこれはそういう小説なんだと思った。
ピエール・ファルケによる挿絵が寓話のような雰囲気をこの物語に与えていてとてもよかった。


