
LUCiA
@gogo
2026年5月15日
童の神
今村翔吾
読み終わった
長い長い映画を見終わったような、充実感というか高揚、陶酔、うっとりした読後感だ。史実、昔物語に作者の創作を掛け合わせ、最後は見事に終わっていった。スケールの大きい話だった。創作のキャラクターがいつの間にか昔話で聞いた酒呑童子になり、渡辺綱に腕を落とされる。まさかり担いだ金太郎が登場する。この字面だけみると日本昔ばなしのアニメのようだが、そこに至るまでにじっくりとこの小説は物語世界の地ならしをしているので全く不自然さはない。さらには、私がいま住んでいる土地や出身地、仕事で馴染みのある地名など、近畿・関西圏が舞台となっているのもざっくりとした舞台が頭に浮かんできやすく、楽しかった。まぁ、京都を中心とした時代の話を書けばそうなるか。そこに金髪碧眼の容貌をもつ主人公が現れたのか。現代なら、「カッコいい(とろ〜ん)」とでもなりそうだけど、昔は鬼とも呼ばれていたんだろう。当時の雰囲気をイキイキと感じられる文章だ。多少の姿形の違い、風習・文化の違いなどで「童」という差別語で呼ばれ、虐げられた人々が反乱し、朝廷と戦う。和睦しそうにもなるが、謀によりそれも叶わず。そんな戦いの物語だった。三部作の第一部と位置付けているそうだけど、もう第二部、三部は世に出ているのかな?調べておこう。
