

LUCiA
@gogo
10数年前にケータイをスマホ(iPhone)に変えてから徐々に本から離れてしまったのですが、2〜3年前に速読を習い(速読はまったく身につかず)、また読書習慣が戻ってきました。YouTubeやマンガアプリに負けがちですがゆっくり本を楽しんでいきます。
- 2025年6月29日
- 2025年6月28日国宝 下 花道篇吉田修一読み終わった上下巻読了。映画をみた人に映画を勧められ、迂闊にも泣いてしまったと聞いていたが、私もこの本の最後に迂闊にも涙が出てしまった。読み終わってしばらく時間が経っても、ふと最後のシーンを思い出すと泣けてくる。 このお話って、新聞連載だったのだろうか?全然知らんのやけど。とにかく次々と事件と言うか問題というか、主人公たちがちょっと落ち着くとすぐになにか問題が起こる。落ち着くとまた何か起こる。すごいわ。長崎弁、関西弁、関東弁と方言の使い分けも面白い。 最後の方、いよいよクライマックスへの助走、ここが何とも言えない不思議な表現になっている。それまでは文章による描写によって場面を想像できていた。だが、本当に終わりかけてくると、その描写がうまく頭の中で再現できない。分かるんやけど、いや、分かってないかもしれん。その再現の仕方は読者によって違うだろうな、と。名人、国宝級ともなるともう常人の想像の範囲を超えた、と言うことなのだろうか。 そして、その最後のシーン。さりげなくクライマックスがスタートした。女形らしく静かに狂っていく。主要登場人物をじわじわと集合させながら。 その以前に名女形とされた登場人物とは違った最後だが、芸の極みが長じるとこんなにも恐ろしくも美しくもなるのか。ま、死ぬ訳ではないけど涙が出る。 このシーン、映画ではどうなっているんだろう。本を読んでる間、YouTubeのおかげでそれぞれの登場人物は、それぞれの俳優の顔で私の頭の中にいた。来週末に映画を見に行く予定だけど、楽しみなような、恐ろしいような。
- 2025年6月22日読み終わった「できない→できる」のためには未知のやり方で体を動かす→意識が正しいやり方を体に指示する→しかし未知なので意識は正しくイメージできない→体はそれを実行できない と言うジレンマを超えるジャンプ。これを可能にしているのが、体の「ユルさ」。体は、意識を超えて「ゆく」のです。 これがこの本の趣旨。この実践方法として色んな具体的な例、研究者を紹介している。 例えば、元ジャイアンツピッチャーの桑田のピッチングフォーム、バーチャルしっぽを振る実験、など医療に応用したり、アスリートや演奏家の技術向上に使ったり、新たな科学技術のヒントになったり、面白い実験ばかりだ。とても書ききれない。 読んでいて、ひとつ思い出した。 小学生くらいの頃、親にスケートリンクへ連れて行ってもらった。もちろん初めてだし、どうやれば滑れるのか分からずずっとリンクの縁を手すりを伝っているだけだった。 そこで親がとった行動だが、、。スイスイと上手く滑っている大人、当時の私からみた大人だから、20代前半くらいだったかもしれない、そんな男性に声をかけ、「この子連れて一周だけ回ってもらえない?」と頼んだのだ。今の時代なら多分やらないだろうが、私はそのお兄さんに連れられてへっぴり腰で一周した。 そしたら、驚くことに後は1人で楽々スイスイ滑ることができたのだ!お兄さんに連れられて滑る間に完全に体が覚えてしまった。ほんの一周だけの練習で!私の親、エラい! インドアでこもりがちな私と違い、体を動かすのが好きな親は、習得の秘訣を自然体で知っていたのだろう。まさにこの本の趣旨に沿う体験だった訳だ。 いや違う。また思い出した。この本の紹介文を読んだ時に、自分のスケート体験を思い出した。だからこの本を読みたいと思ったのだった。
- 2025年6月15日イタリア語の歴史:俗ラテン語から現代までジュゼッペ・パトータ,ヴェレリア・デッラ・ヴァッレ,草皆伸子読み終わった検索しても出てこなかったのでリクエストを出してようやく登録してもらった。ただ、この4月からイタリア語を習い始めたばかりの私にはまだ早い内容だった。しかしまぁ、現代のイタリア語に至るまで、日本語と同じく言文一致運動のようなことが起こったり、どの地方のイタリア語を標準とするかの争いだったり、バタバタしてたんだなー、て言うざっくりしたことは分かった。それに、「辞書」てものはイタリア語が初だったとか。後は、フィレンツェのイタリア語が1番だ!的な時代が割とあった、とか。須賀敦子の本にもある「マンゾーニ」が大きな役割を果たしていたり。うーん、もうちょっとイタリア語を分かってから読んだ方が良いね、きっと。
- 2025年5月31日変な家 文庫版雨穴読み終わった職場の人に借りた。YouTubeやマンガアプリで途中までは何度か目にしていたが、ようやく結末までたどり着けた。あとがきでこの話に嘘偽りはない、とされているが、この本てフィクションなのかノンフィクションなのかハッキリしない。あくまで取材した体だが。たぶん、そこが狙いなんよね。たぶんフィクションだよね。
- 2025年5月20日コルシア書店の仲間たち須賀敦子読み終わったこの4月からイタリア語の勉強を始めた。以前は須賀敦子の本は読みかけては挫折していたのだけれど、イタリアに興味を持った途端に輝いてきた。ほんと、自分て現金だなと思う。しかもミラノにかつてあった古書店を中心とした人間関係をひとりひとりたどっていくエッセイだ。最近、私の中で古本屋がひっそりとブームになっていて、この本もかなりボロボロで透明カバーで補強して売られていたのを買った。先日Amazon primeで見た『丘の上の本屋さん』のイメージとはかなり違うがイタリアの古本屋さんて舞台、良いなあ。イタリア語の本をイタリアの古本屋さんで買って読めるようになりたい。
- 2025年5月11日時刻表2万キロ宮脇俊三読み終わった本の薄さに比して字の小さなボリュームたっぷりの時刻表の旅だった。綱渡りのような乗り継ぎや、うっかり寝過ごしたために想定外の美しい風景に出会ったりと、国鉄全線の完乗を目指した、時刻表を駆使した旅の紀行文。 私は鉄道ファンと言う訳ではないが、この著者の文章は読んでいて引き込まれる。ほとんど感傷的な気分などは書かず、かと言って冷たい訳ではなく車窓の美しい風景を知識とともに書き記す。見たままの事実を並べただけで書き手の意図が伝わるような、クスッと笑える部分も多い。 今の時代では書くと問題のありそうな描写も多々あるが、今の時代も書かないだけで気持ちはそうなんだよなー、なところが楽しい。 全線完乗した後の著者は張り合いがなくなったらしいが、このボリュームある本を休み休み半年ほどをかけて読み終えた私は感無量だ。 単行本より、断然文庫版の方が表紙イラストがかわいくて良い。ただし、字が小さいので中高年以降はご注意を。私のことだが。
- 2025年5月10日みんなが手話で話した島ノーラ・エレン・グロース,Nora Ellen Groce,佐野正信読み終わった読ませるドキュメンタリーではなく、文化人類学者のフィールドワークの研究結果としての本。だから多分に記録媒体としての部分もあるのだが、その事実や住民の声の記録が面白い。 アメリカ・マサチューセッツ州のマーサズ・ヴィンヤード島では、かつて聞こえない人だけでなく、聞こえる人も当たり前のように手話を使っていた。場合によっては聞こえる人同士でも手話で会話する。聞こえないことがハンディキャップではない。手話は単なる第二言語のような扱いだ。 今ではもうこんなパラダイスな環境は失われているのだが、英語と手話のバイリンガルだ。多言語国家で公用語と第二言語を使い分けるようなものだ。 その歴史を移民前のイギリスにまでたどり、膨大な資料を研究し、生き残りの住民に話を聞き、この本を仕上げた作者。面白過ぎる。 私は元々外国語の勉強(趣味)が好きで、その延長として手話や点字にも興味を持っている。障害とか、そう言った文脈ではなく言語としての興味・関心だ。あいにくまだ興味のみで、手を出せていない。 数ヶ月前に書店でふと見つけた本だが、読んで良かった。そんなパラダイスを実際に体験してみたかったが、今はもう叶わない。叶わない代わりにこの本が体験させてくれる。
- 2025年5月6日作家刑事毒島の嘲笑中山七里読み終わった2冊続けて中山七里。真犯人は誰なんだろうと思っていたが、今作は本当に分からなかった。逮捕された小物が真の黒幕ではないと言うのは薄々感じていたが、今回は「どんでん返し」と言うことばそのものの結末だった。これだからやめられない、中山七里。
- 2025年5月5日秋山善吉工務店中山七里読み終わったまだまだ中山七里初心者だけど、どんでん返しが楽しかった。微妙な伏線を置いていかれるんですよねー。伏線とも言えないようなほんの微かな引っ掛かり。 表紙が「和」な感じなので思わず珍しく時代物かと思ったけど、時代に取り残されたようなねじり鉢巻に半被姿の工務店の爺さんだった。その印象そのままの登場人物が活躍する。やっぱ濃いキャラのお話だった。
- 2025年5月5日白い夏の墓標帚木蓬生読み終わった友人が間違って同じものを買ってしまったので、と言ってくれた本。帚木蓬生さんの本は、当初私が友人に勧めた。気に入ってくれたみたいで、今度は他に目移りしていた私に勧めてきた。久しぶりに読んだらやはり面白い。最初から「ミステリー」の体をなしている訳ではなく、徐々にじわじわと謎が染み出してくる。その上著者の本職である医学用語が物語の品と言うか、知的な読み応えも満足させてくれる。昭和58年発行で、令和5年27刷目👀。すごいなー
- 2025年5月4日言語の本質今井むつみ,秋田喜美読み終わった最後、本当に「言語の本質」までたどり着いた!あくまで両著者の仮説ではあるが。多くの実験や参考資料の数がその努力をうかがわせる。ふだん物語ばかり読んでるからこの本は一度挫折したんだけど、もう一度読み直した。章ごとの内容が濃過ぎて章と章のつながりが分からなくなったりしたけど、最後にちゃんとおさらいの文章があった。すごいなー。ホントにたどり着いてるんだから!
- 2025年5月3日
- 2025年4月29日
- 2025年4月29日本なら売るほど 1児島青読み終わったタイムラインによく流れてくるマンガ。なんで?と気になり過ぎて2巻とも買ってしまった。納得した。そして、紙の本を買って良かった。挟み込まれた「十月堂通信」がまた心をくすぐる。古本屋が近くにある、て良いな。
- 2025年4月18日ベオグラード日誌 増補版山崎佳代子読みたい
- 2025年4月17日毎日読みますファン・ボルム,牧野美加気になる
- 2025年4月4日複数の言語で生きて死ぬ山本冴里読み終わった一つ一つのエピソードはとても興味深く面白いものなのだけど、なんと言うか今ひとつ熟読できない。文体なのだろうか。めちゃくちゃ難しい語彙が散りばめられている訳ではないが、論文調なのかな、この本は。手放しで面白い!とは言えないが、あるべき本である。要するに好みの文体かどうか、なのだ。電車の中で読みながら、目の前で喋っている2人組の話が耳に入ってくる。東京で暮らしているが、両親は関西弁だけど、僕は外では関西弁じゃなかった。ふーん、そうなのかー。この本を読んだからか、この事象について考えてしまう。
- 2025年3月29日呼び覚まされる霊性の震災学東北学院大学,金菱清読み終わったタクシードライバーが邂逅した幽霊現象、という宣伝文句に惹かれて読んだが、そこから連想されるようなちょっと不思議な物語、という本ではなかった。大学のゼミの研究論文集だ。幽霊現象についても地道に学生が聞き取り調査した結果の論文だ。切なく悲しいお話と言うより、淡々といくつかの幽霊現象について聞き取った結果を上げていき、論考を披露している。もちろん、一つひとつの現象は思わず涙がこぼれそうになるものが多い。 他の学生の論文も、震災によって引き起こされたさまざまな問題について調査した内容だ。慰霊碑や震災遺構(原爆ドームのようなもの)、大量死の際の火葬、お墓の問題、心のケア、消防団、避難区域の野生動物問題など、このような事象が問題としてあったのかと、知らないことだらけだった。どれもこれも、感情を排除した論文調(論文なのだから)で淡々と書かれているので、最初は不謹慎ながらもちょっと面白くないなと思って読んでいたのだけど、だんだんとクセになる。そこまで深く考えるのか、そう言う意味があるのか、と書いた方の粘り強さに感動する。読み手としては、「知る」ことの大切さに気づいてしまった。とてもまじめな本だ。
- 2025年3月23日
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