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2026年5月16日

愛と人生
滝口悠生
ちょっと開いた
心に残る一節
「伊澤さんの話が錯綜して感じられるのは、記憶の編集と出力の方式が独特だからで、話の筋や展開といったことと一見無関係な細部や景色が、話の筋や展開と同じかそれ以上の、場合によっては因果関係をも破綻させるほどの濃度を与えられているからではないか。濃度とは文字通り濃度であって、細部や景色に没入するあまりそれらが非現実的な様相を呈するという意味ではなく、細部や景色というものがふつう与えられているその薄さこそが嘘っぱちで、それらの要素をもとの濃さに近づけてやることで、嘘っぱちの現実が歪む。嘘っぱちの現実の下でしか成立し得なかった因果関係もそれによってひび割れる。」
「かまち」(p148-149)
こういう小説、とくに短編小説が読みたいんだよな、という気がしている。




