
nogi
@mitsu_read
2025年3月20日

星の牧場
庄野英二
読んでる
〝きょうここできくオーケストラは牧場のそよ風にふかれて牧場にねころんでいるような気がしたり、谷川の清水がこけをぬらしてながれているようなところがあったり、夜あけの森で小鳥たちがさえずりざわめいているようなたのしさがあったり、まんじゅうをふかしているセイロが湯気につつまれてあまいにおいがたちこめているようでもあった。木々のこずえや若草が芽をふいて、ツノブエがきこえてくるような場面もあれば、金色にもみじした森の木の葉を嵐がふきまわっているような場面もあった。〟
p160-161