-ゞ- "屍者の帝国" 2026年5月16日

-ゞ-
-ゞ-
@bunkobonsuki
2026年5月16日
屍者の帝国
屍者の帝国
伊藤計劃,
円城塔
夭逝した小説家が残した断片。盟友の作家が物語を引き継ぎ、完成させる・・・・・・。 これは本書のあらすじではない。現実に起きた、奇跡の話である。 日本のSFに一石を投じた伊藤計劃は、若くして亡くなった。 死後、残された作品には未完成のものがあった。それが『屍者の帝国』である。 『屍者の帝国』は、死者を部分的に生き返らせる技術が発達した近代の異世界が舞台である。そこで主人公は謎に出会い、各地を巡って解決に至る。 ——伊藤計劃が甦ったようだ。円城塔は本作を書くにあたって徹底的に彼の文体を模倣したそうだが、その結実は読んでいて恐ろしさすら覚えた。文体も、物語の構成も、提示される思想も、すべてがかつて存在した作家そのものなのである。 物語も制作背景も「死者を部分的に甦らせる」という点で一致している。前者は脳機能の再現として、後者は作品として。眼光紙背的な読み方になってしまうが、それでも、円城塔がどんな気持ちでこの作品を書いたのか、想像してしまう。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved