あけいろ "工房の季節" 2026年6月10日

あけいろ
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@ake1r0
2026年6月10日
工房の季節
工房の季節
ヨン・ソミン,
朝田ゆう
韓国の小説、友人に薦められて初めて読んでみた。そうでもなければ出逢えなかっただろう。序盤から心情描写や暮らしや食文化に惹かれ、こんなにもぴったりの物語を薦めてくれるなんてとびっくりした。素敵な言葉を書き留めながら、大事に大事に読み進めたら早1ヶ月弱。ジョンミンや登場する皆の再生の物語であることも、今の途方にくれている自分の背中を推してくれるのもよかったのだと思う。実在する工房をモデルにしているというから、俄然韓国のパムカシ村に行きたくなる。友人に早く会って語りに行きたいな。
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p43 生クリームと一緒に桃とマスカットがぎゅうぎゅうにつまったサンドイッチ。 たべたすぎる。
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p50 次にどんな文章が来るか覚えているくらい、大学生のころから愛読しているお気に入りの小説だった。それなのに何も読めなかった。「どういうこと?」と叫びなから何度も何度も文章を目で追ってみたが、そこからは何の意味も読み取ることができない。五行以上読むと頭の中から今読んだ内容が消えていく……。それはまるで、日陰を見つけられなかった雪だるまが朝日を浴びて無力にも溶けてしまうような感覚だった。 なんて比喩なんだと思って立ち止まった。どうして私にこの本を薦めてくれたんだろうとふと思い直す。
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p68 一日の最初にどんなふうに笑うかは重要だ。最初の笑いによって、その日一日がどんなものか決まるからだ。 から元気も元気のうち、私はもっと笑顔でいるべきだなあと、ちょうど昨日反省したところなので、この言葉を胸に留めておこう。最近くらい顔ばっかりしていると、色々な人に言われるものだから。とうの元凶に売れない演技派とか言われたのも癪だから、落ち込んでいるばかりいるのはやめよう。うん、そうしよう。
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p76 そのときジョンミンは、死んだ動物を三匹見たら大学に合格できるかもしれないと思った。なぜそんなことを思ったのか自分でもわからない。残酷な死に方をした動物を見て顔をしかめることが尼払いになると思ったのかもしれない。 不幸なニュースがあったとき、嬉々としてこんなことがあったんだと伝えようとする人がいた。それが無性に嫌だった。自分だってそういう野次馬根性を持ってることも。
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p80 墓碑にはさまざまなフレーバーのアイスクリームが描かれ、下にはそのフレーバーがこの世から消えた理由と冥福を祈る一言が書かれている。フレーバーが誕生した日と生産中止になった日も記されていた。 こういったユーモアや比喩がいちいち刺さる。外国の小説を読んでいるとは思えないな。
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p82 引っ越し祝いというとくに楽しくもない気まずいだけの慣習のために会社の同僚を家に招待することもなかった。 韓国にはそういう文化があるんだろうか。人を家に呼ぶことに対するハードルが低いのかもしれない。わたしはジョンミンに大いに同意だけれど。
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p95 無気力の特効薬は責任感。
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p102 人間の愛され度にレベルがあるとしたら、自分は平均以下だ。だから、こつこつと「愛される点満」を打たなければならなかった。好きでもない男の子からの告白にすぐオーケーしたり、会いたくもない友達に寂しいふりをしながらメールを送ったりした。着心地の悪いワンピースを着て、きらきらしたアクセサリーを無理をして身につけることもあった。そうすれば愛され度が少しでも上がる気がしたからだ。
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p167 スプーン三杯分の喪失、二杯分の罪悪感、絶望が一つまみ、そしてどうすることもできない嫌悪感が半カップ。それらがすべて混ぜ合わさって、噛めば噛むほどに舌触りが悪くなるような過去の話が思い出された。 絶望がひとつまみ。
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最初は登場人物の名前が一致していなかったのが、だんだんと工房のみんなの個性がわかってくる。仲良くなれたみたいな感覚になるのが本を読んでいて楽しい。 意外と日本人や日本の小説なども登場して、より韓国に親しみが湧いてきた。
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