
ちゃおくりー
@qiaokeli
2026年6月23日
私のなかの彼女
角田光代
読み終わった
前半の展開はゆっくりめ、どこに向かうのかよくわからず。読むのを止めようかと思いつつ、あともう少しだけ進めて判断しようとページを繰っていたら...あらあら面白い、止まらない(笑)
熱中し取り憑かれたあたりの描写が息遣いまで聞こえてきそう。最後をどう着地させるのか気になり読むスピードに勢いが付いた。
一方で疑問というか矛盾も感じる。学生時代の恋人同士が、一人は時代にもてはやされるイラストレーターに、一人は注目の小説家になる確率は?主人公の学生時代の描写があまりにも幼く無能な感じで、就職してもなおモラトリアムな感じなのに、急に書くと決めて書き出して賞までもらうとは、なんかしっくりこなかった。小説家ってそんな簡単ではないはず。大学の担当教授の言葉が伏線にはなっているのだろうけど、その程度で小説家になれるのか?ベースとなる人物像の描写のあたりが今ひとつ腑に落ちなかったことが、途中で読むのをやめようとした理由。
ではなぜ続けたか。もう別人なのですよ。人格入れ替わったのかレベルに別人格になって後半の話が進み始める。最初の設定も忘れるくらい主人公が興味深い。そして、最後までうっすらと後ろに流れる母と娘、祖母と母、という構図が、全編を引き締めている感じがした。

