
碧衣
@aoi-honmimi
2026年5月16日
ミッテランの帽子
アントワーヌ・ローラン,
吉田洋之
読み終わった
偶然入ったブラッスリー、列車の網棚、公園のベンチに置かれた大統領の帽子は、手にした者たちの人生を大きく変えていく。
1980年代のフランス。上司に逆らえない部長補佐の男や、不倫相手との〈慎重に検討〉する関係を二年続ける女、長いスランプから抜け出せない調香師、保守的なブルジョワの男。彼らがひとつの帽子によって過去との決別や新たな価値観との出会いを得て、その先で思いも寄らぬ人生を送ることとなる大人のおとぎ話。
それは帽子の元の持ち主の影響なのか、それとも帽子をかぶることでなんらかの働きが加わるのか。そんな帽子に執着する者が出てくるのも不思議とは思えないし、なんなら私もかぶってみたい。
ミッテランの帽子が登場人物のみならず作者の人生までをも変えてしまうオチを含めておとぎ話めいている。

