
いるかれもん
@reads-dolphin
2025年3月21日

アルジャーノンに花束を新版
ダニエル・キイス,
小尾芙佐
読み終わった
感想
小説
言わずと知れたSFの名作。手に入れてからしばらくの間本棚で大人しく積まれていたが、ネット上で交流のある皆さんに、「次に私が読む本はどれ?」と質問して、4冊のうちから本書が選ばれついに読み始めた。
読んだ感想としては面白かった。ただ、それ以上に何か語ろうとしても何も言えない。おそらく、知的障害を持った主人公チャーリーが人工的に知能を獲得していく一方で、周囲の人との間に軋轢が生まれる部分が最も心揺さぶられる部分に思うが、その内容を頭では理解できても、共感という形で取り込めなかったため、感情の大きな動きには繋がらなかったのかもなと思う。私自身、大学院での苦しく、孤独な研究生活の時に、「知性を磨いても私は幸せにはならない」ということは身をもって覚えたことだが、自身のその経験とこの本の内容が結びついた感じはしなかった。勉強のために本を読む時と同じような感覚から抜けられなかった。終始、頭では取り込めたけど、心で読めなかった。
また、致し方ないが冒頭の平仮名ばかりの部分は読みにくかった。(ただ、原初のこの部分を少し見たら興味深かった。また別の楽しみもできそう。)
この本を読んでいる期間に自分で文章を書く時間も多く、そちらに気を取られてこの本に集中できていなかった、良さを引き出しきれなかったという反省が残る。しかし、経験上、このような本は2回目に読んだ時にとてつもなく感動する。私にはまだ読めていないこの本の魅力はあるはず。必ずいつか、読み取ってみせる。

