アルジャーノンに花束を新版

177件の記録
- ほせ@coffee_dog2025年5月23日読み終わった名作の一つだとは知っていたが、初めて読んだ。終始読んでいて辛かった。みんなと同じほどの知能がなくても、みんなが羨むほどの知能を持っていてもチャーリィが他者との差異に苦しんでいることが感じられて…本人が望んでいることが何もないような気がして。読み書きができるようになりたいとは思っていたと思うが母親が周りに言えるようにだったり、みんなと仲良くなりたいだったり他者がいるからこその欲望というか。望んでいることには間違いないのだけれどもなんともやりきれない感じがした。個人的には学ぶことは楽しいことであると思う。新しいことを知ることや分からなかったことがわかるのはとても楽しいことだと思う。でも、チャーリィの結果報告からはそれが伝わってこなくて。もっと純粋に楽しいと思える教育の仕方はなかったのだろうか。最後は報われたのだろうか。思うことが多すぎてなかなかまとまらない。これからもふとあるごとに思い返して考えてしまうと思う作品だった。
- YS@read_book2025年5月5日読み終わった虐げられたことがある人でも、自分が力を持ったら、無意識にでも人を見下してしまうようになるんだと思う。裕福さにも同じことが言える気がする、お金持ちになっても上には上がいて、下を見ないと安心ができないから。自分のステージを直視した上で、他人と穏やかに関わるにはどうするべきかがまだわからない。
- まと@maatoo0_zzz2025年5月3日気になる本屋で見かける度に気になって読んでみたさがある。 ハヤカワ文庫はいつも使っているブックカバーに入らないのが難点で、購入を躊躇するんだよなぁ...。
- みつば@mitsuba328292025年4月28日読み終わった読んでよかった!すごい読書体験でした! 文字媒体の小説ならではの技法を活かした文体と、経過報告を読んでいくスタイルが、とてと好きでした!! 登場人物が取る行動も、(賛同できない差別的なものもあるけど)理由がちゃんとあるから、どの登場人物の考えも理解できる。だからこそ考えさせられるシーンが多く、こういう読書体験をするために読書をしてるんだよな~!と思った。 最後の文章もタイトルも大好きです💐
- ✟@x_toyanya_x2025年4月9日読み終わった借りてきたはじめ、ちょっと合わないかもな……と思った。「こういう人って、こういう文章を書くでしょ?」という姿勢が逆に安易で差別的に感じて。けれど読み進めるうちに書き手にとっての語彙、知識、認識できる世界が増えていき、世界を言葉で切り取るということがどういうことなのか、はっとさせられた。 主人公チャーリィについて、神に与えられた十字架を背負い、向き合って生きていくべきだとするアプローチを取るキャラクターと、「治療」によって変えようとするキャラクターが登場する。また、彼の言動について、はじめの状態は子供っぽく、白痴だとされながら、一方で手術後のインテリよりも純粋だったと言われる。この物語ではどのように終焉を迎えるのか、そしてそれをどう捉えるのか、様々な考えを聞くのも面白そうだと感じた。チャーリィにとってどの状態が幸せで、この物語は悲劇なのか。 途中、「知らない」状態のチャーリィは仲間にいじめられ、蔑まれても全く気付かない。坂口安吾『桜の森の満開の下』を連想した。知らなければ認識せずにすむ悪意を感じ取ってしまうことへの恐怖。一方で、政治や宗教についてずっと「他のみんなのように」語りたいと思っていたチャーリィだが、実際に天才になるとその知識の膨大さに周囲が追い付かず、却ってできなくなってしまう。変化の渦中で描かれる知ることへの喜びと、それが齎す哀しみのコントラストが印象的。 また、チャーリィの衣食住、収入に問題がない点が面白かった。これは生きるための問題を扱った、人間の尊厳としての物語であり、かつ貧困など実際的な差し迫った暮らしについての物語ではないのだ。
- ニチカ@10942025年4月7日読み終わった読み終えてしみじみ、ほんとうに素敵なタイトルだなと思った。 最後の日の経過報告が、他者を大切にするすごくやさしいことばで溢れていて、ああ、チャーリイの中に最後に残ったものはそれだったんだ、と思い心がじんわりとあたたかくなった。ハッピーエンドではなかったかもしれないけれど、知能と感情のあいだで翻弄されて、それでも強く生き続けたチャーリイに、拍手を送りたいと思った。知性とか、家族とか、マイノリティとか、幸せとか。この作品から広げられることは、たぶんたくさんある。でも、わたしは、まっすぐに自分の人生を生きたチャーリイの、その生き様に心を打たれたし、明日への勇気をもらった。これが感想としていいのか悪いのかはわからない。陳腐かもしれない。ただ、いつかまたこの作品を再読したとき、今とはまた違う感想を得られたら、それはきっと素敵なことだろうと思った。
- 藤松@seu_ng162025年4月6日読み終わったただひたすらに辛くて読むのを途中でやめたかったけど、読み始めたからには最後まで読む責任が自分にはあると思って読み終えた。 序盤、チャーリイはカードにはインクのシミしか見えないと言った。私たちが普段見ている絵もただインクが散らしてあるだけで作者は現実世界にある何かを描いているつもりはないのかもしれない。 チャーリイにとってテストとは合格しないといけないもの、必ず点数がつけられるもの。結果に良し悪しのないテストや、点数のつかないテストもあるということを知らない。 この作品の序盤、ひらがなだったり誤字脱字が多くて正直読みにくいなって思ってた。読みやすい文章になったとき嬉しかったけど、チャーリイの書く文章の変化とともにチャーリイ自身も大きく変わっていって、最終的にまたああいう文章に戻ったときどこか懐かしい嬉しい気持ちがあった。利口になったチャーリイは確かに周囲から一目置かれる存在になったし、過去の自分を嫌いだったのかもしれないけど、そんなチャーリイの嫌ってる以前のチャーリイを愛していた人たちがいたんだなと。 この作品を読んで私が思ったこと感じたことを全て言語化することは難しいし実際不可能だと思う。 チャーリイの家族はもう修復できないし、博士たちとの関係ももう回復できないんだろう。なにせチャーリイ本人にその気がないのだから。結局人はないものねだりで、境遇の違う人同士がわかり合うことはできないんだろうなと思った。チャーリイと互いに理解しあえるのはアルジャーノンだけなのかもしれないな...そもそも理解し合う必要があるのかもわからないけど 小説を読んで泣いたのは初めて。 当たり前のことについてもう一度考え直すべきやと思ったし、この作品を読んだことによってさらに人に優しくできるようになるんじゃないかと思った。ダメージが大きすぎたから今日はもう何も読まずに寝ようと思う。
- 明らか@akiraka2025年4月1日読み終わったすごい読書体験だった…名作には名作と呼ばれるだけの理由があるのだなと改めて感じた。 一人称視点が没入感を高めてより体験に近くなっていると思うのだけど、読み始めてすぐに「まさかこの調子で最後まで行くのか…!?」とビビったし、やり通した技量と気力がすごい。 読もうと思ったきっかけ 機動戦士ガンダムGQuuuuuuX-Beginning-を観る→全然分からなかったので初代機動戦士ガンダムを観る→コロニー落としの元ネタが『月は無慈悲な夜の女王』だと知る→同年のSF賞レースを『アルジャーノン…』と争っていると知る→感動系の見出しで敬遠してたけどSFなら読むか〜 『アルジャーノンに花束を』もまさかジークアクスきっかけで読まれるとは思っていなかっただろう。
- 回寅治@Mawari_trahal2025年3月25日かつて読んだ賢くなるたび世界に絶望 友達いっぱい欲しい頭よくなりたい→友達なんていらない前の方が幸せだった→前はすごいことしてたけど頭悪くなっちゃった、また勉強し直して話したい 芸術家の女が何気に一番酷い気がする 少数派とか個性派とかを好むことを自称してるのに、いざチャーリイが社会的マイノリティの状態になったとき気味悪がったり施錠したり。生きた彫刻?みたいのも頭脳派チャーリイ自身の生き方さえも芸術で消費してしまいそうな 作品化の暴力性か 酔ったときに出たり性交中に窓からじっと覗いたりする障害者チャーリイ悲しい チャーリイが賢くなったんじゃなくて賢い人格が乗っ取ったみたいのも悲しい 性交ができてるできてないってチャーリイ自身の頭脳とは関係のない精神のところで何かあるんだろうけど、これってまさか内なる障害者チャーリイが先生だとざわざわしてるからなのではなかろうか 知能レベルが低くなって性交おんおん泣きながらだけどできるようになるの悲しい その前の知能のすれ違いも悲しいけどここが印象的 最後の手記が途切れてるのってやっぱり余命を悟ってたからかな アルジャーノンが死んだってことはチャーリイも死ぬはずだし でもそれにしては死に関する言及がないっていうか 知能レベルが下がったからか?呑気にまた勉強して友達なるとか言ってるし
- ミチル@chiru6x62025年3月25日完読できなかった326pまで読みました とても難しい本でした 完読できませんでした 障害者とイジメと虐待の話でそのどれもを知っているけれどどこにも自分を重ね合わせられなかった 図書館で借りてきた本なので、今日返しに行きます
- いるかれもん@reads-dolphin2025年3月21日読み終わった感想小説言わずと知れたSFの名作。手に入れてからしばらくの間本棚で大人しく積まれていたが、ネット上で交流のある皆さんに、「次に私が読む本はどれ?」と質問して、4冊のうちから本書が選ばれついに読み始めた。 読んだ感想としては面白かった。ただ、それ以上に何か語ろうとしても何も言えない。おそらく、知的障害を持った主人公チャーリーが人工的に知能を獲得していく一方で、周囲の人との間に軋轢が生まれる部分が最も心揺さぶられる部分に思うが、その内容を頭では理解できても、共感という形で取り込めなかったため、感情の大きな動きには繋がらなかったのかもなと思う。私自身、大学院での苦しく、孤独な研究生活の時に、「知性を磨いても私は幸せにはならない」ということは身をもって覚えたことだが、自身のその経験とこの本の内容が結びついた感じはしなかった。勉強のために本を読む時と同じような感覚から抜けられなかった。終始、頭では取り込めたけど、心で読めなかった。 また、致し方ないが冒頭の平仮名ばかりの部分は読みにくかった。(ただ、原初のこの部分を少し見たら興味深かった。また別の楽しみもできそう。) この本を読んでいる期間に自分で文章を書く時間も多く、そちらに気を取られてこの本に集中できていなかった、良さを引き出しきれなかったという反省が残る。しかし、経験上、このような本は2回目に読んだ時にとてつもなく感動する。私にはまだ読めていないこの本の魅力はあるはず。必ずいつか、読み取ってみせる。
- Ratkok@ratkok2025年3月15日読み始めたまだ、30ページほど。 完全には正しくない文章がある程度の長さ書かれていて、あまり本を読まない自分にとって、上手に言葉を使えないことの表現として、正しくない文章が文字で書かれているのが新鮮だと感じる。
- ちゃーりー@charlies_books2025年3月15日読み終わった人とは、いう命題にただ真っ直ぐに向き合うことの美しさ。 節目でまた読み返す本なんだろうと思う。 そしていつか、アルジャーノンに花束を手向けられる人になりたい。
- しま@murmur2025年3月14日かつて読んだとにかくすごかった… 昔の自分のメモから転載 ▼ ダニエル・キイス(小尾芙佐 訳) 授からなかったものであるチャーリー・ゴードンがストラウス博士やニーマー教授の手によって”手術”を施されて、かしこくなっていく物語。 友人から「出会えてとても良かったが、2度と読みたくない本」と聞いてからわずか3日後に本屋に並んでいるのを見つけた。なんなら、その時に一方的に語ったザリガニの鳴くところも文庫本化されてて一緒に並んでた。そんなことある??? 知能が上がっていく過程で様々な感情を取りこぼして…いや、知識のみが成長をしていき感情というものが置いてけぼりになっていったように感じる。くるしい。 時に憤りや怒りを感じ、苛立ち、悩み、周囲への理解が及ばないことに関しては、まるでチャーリーと同じように暗闇のなかを彷徨っている子供のようである。唯一ちがうのは、チャーリーには友がいたが、ゴードンは孤独だった。バートが言うように、寛容だとかそういうものを彼は置き去りにしてしまっていた。 何度も触れ合いを試すも失敗する過程に彼(チャーリーの本質)にとってアリス・キニアンは心の底から大切な人だったのだと感じる。そして、だんだんと見られる世界線が変わっていくうちにすれ違ったアリスが、彼の知能が失われていく中でもう一度彼を支えようと決意を固めて同じ地点で待っていてくれたのが、愛だとも感じ、同時にとても切ない思いになった。 だんだんと知識がこぼれ落ちていき、だんだんとチャーリーが帰ってくる。その過程で、ただただ意識の底に眠る母を意識して「かしこいひとになりたい」と願い続けていたチャーリーの視点が、家族のことや周囲の哀れみや憎悪を知ったことでもっと広くなり、前のように少しは近づけるのではと具体的な目標へと変わったように思えた。 そして人としてのプライドを自覚し、ウォレンに自ら出向き、そこでこれからも1人の人間として生きていくのだろう。 最後にニーマーに宛てた一言が、ゴードンに向けた言葉のようでとても心に沁みた。笑わせておけば、友はできるのだと。まるで1人で立つなと言っているようだった。 アルジャーノン、同じ苦楽を共にした1匹のねずみはチャーリーの親友であった。盛大な花束を、ふたりに。
- ぶんちゃろふ@book_mylittlepig2025年3月12日かつて読んだ少しずつ知的能力が上がっていく描写、それによって今まで見えてなかった他人の悪意に気づいてしまう残酷さ、周りとずれていく感覚、全部がグロテスクだった。
- めめ@sara10212025年3月12日読み終わった『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス 幸せってどういうことだろう 人に好かれるってどういうことだろう 知識を持って、すべてのことがわかるようになることは幸せとは限らなくて、愛の与えあいは難しくて、自分が変われば自分が愛する人も自分を愛してくれる人も変わって、辛かったり、幸せだったり 絶対に嫌だと思っていた場所やことが、自分の変化によって希望を持てる場所と変わって行ったり 「世界」というのはつまり、はっきりとした正体なんてものは最初から持っていなくて、全てはそれを感じ取る自分自身に全て左右されるということを感じた チャーリィは愛されたくて知能を得た でも彼は知能を得て愛されなくなった、というより、愛と信じていたものがそうではなかったとしり、愛が歪み、そして失った やがて知能を手放し、もう一度彼は愛と幸せを感じる そして最後に残ったのは「アルジャーノンに花をそなえてあげてください」という、チャーリィ自身の中に眠っていた曇りなき愛 あなたはどうして僕に目を描いたんだ あなたはどうして僕に手を作ったんだ 「本当のこと」を知覚するための目や手なんかない方が、愛や幸せなどという形なきものを知覚するには良いのかもしれない チャーリィは特例なんかじゃなくて、実際はすべての人の人生の縮図なのかもしれない すべての人は一生をかけて色々なものを得て、最後は全てを手放すだけだ 果たしてそれは、ただ虚しいだけのことだろうか
- M@bookuma2025年3月11日読み始めた「読んだふり」をしてきた本だ。 手に入れた当時、冒頭と最後だけを読んで何が書かれているのか分かったつもりになっていた。あまりに有名な本なので、他の人が読んだ記憶をまるで自分のもののように勘違いしていたふしもある。 最近、とある人の話でこの作品の名前が出てきて、頭の中にパッと表紙が思い浮かんだ。そしていくつかの出来事が重なって、本棚の奥から埃まみれのこの本を取り出した。 見つけるのには15分ほどかかった。なぜか単行本で持っていると思っていたから。我が家にあったのは文庫本だった。どうやら記憶違いをしていたようだ。 本にはインクが薄れたレシートが挟まってきた。2008年5月29日。誰が与えてくれた本なのか、今ではもう思い出せない。
- 廣 亜津美@hiroatme2025年3月7日かつて読んだとても好きな小説だけど、あまりに好きだという人が多くて、大きな声で好きだとは言えない小説。長編版よりもヒューゴ賞を取った中編版の方がテンポがよくていい小説だと思う。悲しくて、運命的な呪いのように思えるけど、これは普遍的な不幸にすぎないような気がします
- ゆう@stella_262025年3月1日読み終わった・知性と情緒の釣り合い ・情緒を発達させるためには噛み砕く時間と経験が必要 ・立場と知性が異なる人同士の対話の仕方 ・退行しても経験が0になる訳じゃない→将来認知症になるとしても学習を止める理由にはならない
- 紅茶うさぎ@tea_rabbit32025年2月15日読み終わった舞台版を観に行くにあたり購入。 とにかく文章の効果が秀逸。各段階での知能レベルがありありと分かるし、零れ落ちていく何かが見える。 人が人である為に考え続けるべき根源的疑問。 誰が悪いのか。どうするべきだったのか。 私には答えが出せない。 喪失していく最後は、どう考えてもバッドエンドだろうに、読後感は悪くないどころか爽やかですらあった。不思議。 また読みたいと思わせられる本でした。
- JH@nujamah2025年1月1日読み終わったかつて読んだなぜか年末嫁両親も滞在している時に読み進めていたせいで、ちょいちょいトイレに篭って泣きながら読む羽目に。みんなが読んでいるしおすすめしているので今更ですが、なんとなく読まずに歳を重ねてしまい、とはいえちゃんと読むことが出来て本当によかった。
- momo@momo_4512024年1月13日読み終わったSFと呼ばれる本を何冊か読んできたのだけど、こんなにやりきれない気持ちになったのは初めてかもしれない。 知性を持つことで「幸せ」とはかけ離れてしまったチャーリィは、IQが高くなって以前いじめられていたのと知った。家族、近所の人たち、そして良くしてくれていると思っていた教授たちは、彼を動物実験と同じように見なしていた。 障碍児の周りの人の描き方も、なんだか居た堪れなかった。 きょうだい児の妹、八方美人だが「彼のため」の行動が空回りしていた母、妻に押し付けていたが故か、程良い距離感だった父。 チャーリィにとっての「幸せ」って、なんだったんだろう。
- RIYO BOOKS@riyo_books2022年3月5日読み終わった知能だけではなんの意味もないことをぼくは学んだ。あんたがたの大学では、知能や教育や知識が、偉大な偶像になっている。でもぼくは知ったんです、あんたがたが見逃しているものを。人間的な愛情の裏打ちのない知能や教育なんてなんの値打ちもないってことをです。