
まほ
@maho0616
2026年5月17日
読み終わった
今年の春に大学生になった私は、この作品と自分を重ねたり、「1つのことに打ち込むってこんなにも美しいんだ」と感動してすぐに読み切ってしまった。
「喜嶋先生の静かな世界」というタイトルに惹かれて手に取ったけれど、読み終わった頃にはこのタイトルがもっと好きになった。
誰しも、〝すごい人〟でありたいと思う気持ちが少なからずあると思う。
地位や名誉、年収に外見…大人になるにつれて、自分がしたいことや情熱よりも、現実的な選択をするようになる。
私も、なぜか焦って何かしなきゃと思う時がたくさんある。
だけど、ゆっくりと自分が心から愛せることを、自分のペースで取り組むことって、なんで美しいんだろうって思うし、忘れたくないなって思う。
自分が取り組んでいることに自信を持って、自分の夢に打ち込む喜嶋先生や主人公はほんとにかっこよかったなぁ。学ぶっていいな。そう思えた。
(高校のときに出会った化学の先生と、卒業後教室で同じようなことを話したなぁ…また先生に会いたい)
最後に、「はぁ、、本当にそうだな」って思った部分を記録しておく!
「とても不思議なことに、高く登るほど、他の峰が見えるようになるのだ。これは、高い位置に立った人にしかわからないことだろう。ああ、あの人は、あの山を登っているのか、その向こうにも山があるのだな、というように、広く見通しが利くようになる。この見通しこそが、人間にとって重要なことではないだろうか。他人を認め、お互いに尊重し合う、そういった気持ちがきっと芽生える。」(p.381)
学べること。これがどれだけ幸せで恵まれていて、美しいことなのか、胸に深く、そして静かに訴えかけるような、そんな作品だった。
この作品の美しさがたくさん人に届いてほしい。
(追記)
ひとつだけ雨雲のようなもやもやが残る部分としては、喜嶋先生の音沙汰がなくなったこと。
喜嶋先生は後に、あの沢村さんと結婚をする。
まさかすぎて驚いたほんとに。
沢村さんは多くの人に一目置かれるほどの美人。
そんな沢村さんはあの彼と離婚をするが、後に離婚する。
この時点で私的には、「あ、なんか難があるのかな」という印象はあった。
このときに抱いた違和感が、喜嶋先生が沢村さんと結婚して、音沙汰が途絶えたことと重なった気がした。
沢村さんが自殺したという噂も立っているらしいし…
なんというか、すごく頭のいい喜嶋先生も、女性関係となるとまた変わってくるのかとか考えてしまって、人間の目を瞑りたくなるような部分の描写があるからこそ、もう一度読み返したくなるのかなとも思った。

