
えい
@shibamoti
2026年5月16日
水辺にて
梨木香歩
読み終わった
エッセイ
@ 自宅
水辺にまつわる、作者の心の内にある想いを綴ったエッセイ。
カヤックから始まる話は、同じ名を持つ宇宙船のこと、太陽風、湖や川や湿地などの水辺の風景、英国と物語、鳥たち、植物……という風にどんどんと広がっていく。
興味を持ったものを突き詰めていき、事物に物語を見出していく作者の人柄の一片は、話題の広がりからも垣間見えてくる。こと自然に関しての興味の深さ、そこから当然のように生じる知識の深さには感心してしまう。
文学的、詩的という表現は安直だが、言葉選びにも句読点遣いにも独特の呼吸を感じる。きっと何となく、で書いているのではなく、書かれている以上そこには必ず意味があると思わせるような。
エッセイの中では、「境」という言葉が何度か出てきた。水辺とそれ以外の間にはある種の線が引かれているのだろう。現実と非現実の間にも、また。地に足がついているようで、危うさも感じるような好奇心や想像力がある作者は、ちょうどその境界線上に立っている人なのかもしれないとぼんやりと思った。
