"ぼんくら(下)" 2026年5月17日

霧
@yoruto
2026年5月17日
ぼんくら(下)
ぼんくら(下)
宮部みゆき
あらすじ 「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の佐吉は蒼白な顔をした。親思いの娘・お露、煮売屋の未亡人・お徳ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。同心の平四郎と甥の美少年・弓之助が、事件の裏に潜む陰謀に迫る「宮部ワールド」の傑作。 本文p121より、抜粋。 「拝んで尊んで、それが本当に神仏に通じるならなあ」平四郎はまったく敬虔でない証に、鼻毛を抜きながら言った。「しかし神さんも仏さんも、みんなの願いをかなえることはできんだろ。河内屋も大繁盛近江屋も大繁盛、みんな大繁盛というわけにはいかんだろうがさ」 「そうですね。でも、それでいいんです」 「熱心に拝んでるのに、それが通じなくてもいいってのかい?」 「はい。心の拠り所になれば良いのです。上手くいったときには神仏のおかげさまとする。まずくいったときには神仏の奉じ方が足りなかったとする。そうしておけば、どうしようもない幸も不幸も、運も不運も、取り扱いようが決まるというわけでございますから」
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