ぼんくら(下)
8件の記録
霧@yoruto2026年5月17日読み終わった借りてきたあらすじ 「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の佐吉は蒼白な顔をした。親思いの娘・お露、煮売屋の未亡人・お徳ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。同心の平四郎と甥の美少年・弓之助が、事件の裏に潜む陰謀に迫る「宮部ワールド」の傑作。 本文p121より、抜粋。 「拝んで尊んで、それが本当に神仏に通じるならなあ」平四郎はまったく敬虔でない証に、鼻毛を抜きながら言った。「しかし神さんも仏さんも、みんなの願いをかなえることはできんだろ。河内屋も大繁盛近江屋も大繁盛、みんな大繁盛というわけにはいかんだろうがさ」 「そうですね。でも、それでいいんです」 「熱心に拝んでるのに、それが通じなくてもいいってのかい?」 「はい。心の拠り所になれば良いのです。上手くいったときには神仏のおかげさまとする。まずくいったときには神仏の奉じ方が足りなかったとする。そうしておけば、どうしようもない幸も不幸も、運も不運も、取り扱いようが決まるというわけでございますから」
ユメ@yumeticmode2025年2月4日読み終わった感想@ 自宅鉄瓶長屋で次々と起こった事件を探っていた平四郎は、やがて地主である湊屋の企みに辿り着く。作中の表現を借りるならば、鉄瓶長屋の上に湊屋という長い影が落ちている物語において、弓之助とおでこという若い二人の活躍が清涼な風を吹かせているようだった。弓之助と小平次の関係の変化も微笑ましい。弓之助を連れて歩き、彼の洞察力を頼りにしている平四郎が、事件の捜査の惨たらしい側面は見せまいとするのもよかった。引き続き『日暮らし』を読もうと思う。





