糖
@inwatermelon_
2026年5月17日
象の旅
ジョゼ・サラマーゴ,
木下眞穂
読み終わった
16世紀、ポルトガル・リスボンからオーストリア・ウィーンまで、大国間の贈り物として、自らおよそ3000kmの道のりを歩いた象と一行のお話。
文体が非常に独特だった。
ページを埋め尽くす文字、文字、文字。改行は相当の場面転換があった時に留められるから。
地の文と会話は一体的。台詞を表す記号(「」)は用いられず、文章がひたすら句点読点でつながれてゆく。
著者自身もたびたび登場し、くだらないことからくだることまで、当時と現代の橋渡しをするように茶々を入れる。
特異な文章なのに、どうして違和感なく受け入れられるのだろうと思ったら、落語や講談、紙芝居を見ている感覚に近いのかも知れない。プロットと同等かそれ以上に、語り手自身の魅力を受け取る読書体験。
巨大で一見無感情に思える象のソロモンの一挙一動によって周囲の人々の心が揺れ動き、物語が進んでいくさまが面白い。象ってかわいいよね。


