伊藤裕満 "オデュッセイア 下(ホメロス..." 2026年5月17日

オデュッセイア 下(ホメロス)
紀元前に書かれたもので、まさに「洗練」される前の物語の原初。 神もいるし、冥府と地上と天上が繋がっているし、地球は丸くない。 一つ目の巨人に仲間を食われたり、仙女カリュプソと何年も生活を共にしたりと、なかなかの奇想天外な話であるが、そもそもの世界設定を理解していくたび、奇想天外という印象も薄まっていく。 「朝のまだきに生れ指ばら色の曙の女神が現すと」というくだりが、朝が来るたびに何度も繰り返される。省略されることもない。この世界では、曙の女神が現れることで朝が来る、という設定が徹底している。 そのような定型分が随所にあらわれ、最初は読みづらい印象はあったが、定型分があまりに多いので、読み進めるうちに、どんどん読むスピードは上がっていく。 「礼節」というものがなによりも優先されていて、当時の人々にとって教科書的な役割だったのかもしれない。 とにかく、何よりもまして、これがあらゆる物語の始まりであるという価値は揺るぎない。(一番最初ではないかもだけど)
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