
ペンアブ
@ddd_kool966
2026年1月15日

スイッチ 悪意の実験
潮谷験
読み終わった
メフィスト賞受賞作ということで、気になっていた一冊。
この作品の魅力は、やはりコンセプトの強さにある。
この小説のタイトルである「スイッチ」がどんな物なのか。悪意の実験とはどういう意味なのか。それを開示してから後、序盤の面白さは凄まじい。
しかも、物語はテンポ良く進むのに、中盤などでもダレない構成にも目を瞠った。
文章、コンセプト、キャラ、どれを取っても高得点であるため、するすると読むことができた。文句なしの秀作である。
あれこれいろんなことを考えながら読んでいる時間は、間違いなく楽しい読書体験だったと思う。
ただ一点、宗教という題材を取り扱いながらも、宗教というか……架空の事柄にのめり込むさまを主人公が否定するくだりは、ちょっとモヤッとした。
もちろん、主人公に否定された当人は、否定されてしかるべき人間なのだが。それでも題材に対して正しい姿勢なのかな?とちょっとだけ気になった。
まあ私は無宗教なんだけど。
文庫版ではなく単行本のほうで読んだので、事前情報を排して読めたことはプラスだった。
これからこの小説を読もうという人は、できればあらすじを知らずに読んでみてほしいと、我儘ながら思う。

