
Sanae
@sanaemizushima
2026年5月18日
生活史の方法
岸政彦
読み終わった
打越正行さんや岸政彦さんの生活史シリーズにいつか挑戦しようと思い、手に取りやすい新書からまず始める。
どんな思いで聞いて書く手法をとっているのかを知りかったけれど、接遇、着ていく服、手土産のことにまで言及され、これからその道に進む方や学生さんにもとても役に立つ本だと思った。
他の方も引用されていたが、わたしも同じように印象的だったところ
「私はできれば、この世界で、声を残す力を持たない人びとの声を残したいと思います。でも、そういう人びとはおそらく、立派なひと、出世したひと、力を持った人びとよりもはるかに、自分の人生を語ることで、しんどい思いをすることでしょう。ほんとうに私は、どうしたらいいかわかりません。」(p77)
「このふたつの正しさ、このふたつの被害性、このふたつのしんどさは、どうしたら交わることができるのか、どうしたらおたがいに理解できるのか、ということをいつも考えますが、答えはありません。」(p82)
白黒はっきりつけるという暴力性、ずっと寄り添い宙ぶらりんのまま考え続けることの大切さ。ネガティヴケイパビリティだ。
今まで気づかなかったこと、見過ごしていたことを気づかせてくれることが多かった。
岸さんが沖縄でインタビューの時にイデオロギーについて話し手の方から聞かれて「左寄りだと思うが、基地で働く人のこと、その方の生活を否定したくない」というようなことをおっしゃって、それなら、とお話ししてくれた方がいらしたエピソードがあった。聞き手なりに寄り添いながら、立場を明らかにするって大切なんだなと思う。それでこそ心の声、本音が出てくるんじゃないかと思った。
「私たちの行為は強く動機づけられています。私たちはただなんとなく生きているのではない。なんとなく生きているように見えても、人生の個々の帰路において、私たちは必ず選択というものをしているのです。」(p287)
終わりに書かれていたこと。多くの周縁に立たされた方々の人生に触れてきた岸さんだからこそ出てくる言葉だと思う。しっかりと受け止めて生活史の本に挑戦していきたい。









