JUNYA WARASHINA "星の時" 2026年5月25日

星の時
星の時
クラリッセ・リスペクトル,
福嶋伸洋
何も持たない少女が、語られることでほんの一瞬だけ存在して、また消えていく——この静かな残酷さが、本書の全てを語っている。 ブラジルの最底辺に生きるマカベーアは、夢も野心も比べる相手すら持たないまま、ただそこに在る。 彼女をどうしても書かずにいられない語り手がいて、語られることで彼女はほんの一瞬だけ輝く。 言葉は存在を召喚する呪文だ。しかしリスペクトルは、その魔力を行使しながら、同時にその幻想性を静かに暴いていく。 物語の終わりに彼女が触れる光は、神からの恩寵か、言語が生んだ幻か。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved