星の時

星の時
星の時
クラリッセ・リスペクトル
福嶋伸洋
河出書房新社
2021年3月29日
15件の記録
  • DN/HP
    DN/HP
    @DN_HP
    2025年10月7日
    わからなさを大切にしたい、と話したのはやっぱり快晴だった大塚で、そのときにバッグと頭のなかにあったのはこの本だった。 作者の創造した作家が書く無知故に“哀れな”イノセンスを持つある少女の人生。メタを重ねたような書き方は複雑だけれど、まだわかる。人生のある一時期を切り取った物語の筋はシンプルだ。納得出来る言葉が連なったセンテンスの美しさにはため息が出た。けれど、この小説はわからないと思った。 「物語というのは、作り出されたものであっても真実だ」 冒頭で宣言されていた通り、ここにあるのは、少女の、作家の、そしてもちろん作者自身の真実だ。多分この小説のわからなさはそこからきていると思う。他人の真実は簡単にはわかることが出来ない。それでも、それを真摯に表現しようとしたものに感じるわからなさは、“わかった”ときの感動と同じように自分だけのものだから、それを持ち続けることも、取り出して考えることもとても心地良く感じる。 「考えることはひとつの出来事。感じることはひとつの事実。」 そこにあるものを全部、大切に持っておきたいと思う。そんな考えがあの会話のなかで漂いはじめていた気がする。 今手元にあるわからなさは、この小説をもう一度読んだときにわかるようになるかもしれないし、別の本を読んだときにヒントが見つかるかもしれない。あるいは本を手放した生活のなかで考え続けることで、別の大切にしたいものが見つかるかもしれない。もしかしたら、ただわからないままかも知れないけれど、しばらくの間はこのわからなさもそこにあるものも全部大切に「抱きしめて」おきたい。 例によって乱立している付箋も、おあつらえ向きのコメントが入った栞もそのままにして、もう一度読むまでこの本も大切に持っておきたい。そう思って机の上の特別なコーナーに差し込んだ。 この文章にもわからなさがあるとしたら、それは、まあ、浅薄さと文章力のせいかもしれない。
    星の時
  • riho
    riho
    @archives
    2025年9月15日
    買ったままになっていたこちらも
  • sataka
    sataka
    @satakan_443
    2025年8月26日
    入れ子構造が実験的。創作者による登場人物への侵害というテーマ性も感じた。強烈な自意識の作家と、彼の書く空虚な女性の対比。
  • Autoishk
    Autoishk
    @nunc_stans
    2025年8月12日
    タイトルはシュテファン・ツヴァイクの『人類の星の時間』を想起させる。訳者解説などでは特に触れられておらず関係の有無はよくわからないが、あるいはユダヤ性に関わるのだろうか。ツヴァイクが人類史にとっての特権的な瞬間を志向するのに対して、本書はその逆を行っている。
  • らこ
    らこ
    @rakosuki
    2025年5月25日
  • Aqu4
    Aqu4
    @aqu4
    2025年5月11日
    ホッブズを買おうと思ったんだけどやっぱりリスペクトルを買っていた
  • sakura
    @sakura_04
    2025年5月9日
  • Blue moon
    Blue moon
    @mimosamimi
    2025年5月2日
  • ricochet
    ricochet
    @ricochet
    2025年5月2日
    作家ロドリーゴが持たざる女の子マカベーアの物語を物語ることについて物語る小説(をリスペクトルが物語る)。ロドリーゴは人格としてはあまり成熟していないような印象を受ける一方、美しく難解なアフォリズムめいた言葉を書き、またマカベーアの物語をはじめる前の準備運動を散々見せてくれるので、マカベーアはなかなか登場しない。ようやくマカベーアの物語が始まると、その痛ましさや世界とのずれから生まれる哀しいユーモアに魅せられるが、これは魅せられていいものなのかとも思う。 マカベーアは「私は誰?」という問いを発する愚かさを持っていなかったと語られるが、この問いはナジャを思い出す。私とは誰か、それは私が誰とつきあっているのかを知ること。私はナジャを理解できず、なぜブルトンがナジャという作品を書いたのかがよく理解できなかったが、この作品を読み終わった時も少し似たようなことを思った。自らのアイデンティティのためにある人物を言葉を素材として造りあげようとすること、そして彼らの物語に終わりを与えること、その傲慢さ。 もちろんリスペクトルはその傲慢さを自覚しているし(ロドリーゴの時々見せる鼻持ちならさよ)、読み手の私も共犯者だ。私も物語られるマカベーアとして、マカベーアを物語るロドリーゴとして、その言葉に私をゆだねることで、私の中の私ではない何か、あるいは誰かを探りあてようとしている。なぜ書くのかということとなぜ読むのかということに大した違いはないのかもしれない。
  • 森々
    森々
    @mori_hkz
    2025年4月16日
    自分には難しかった ただ最後の方にあった(確か)「小さな死を欲している」ってところはちょっと納得した 何が幸せで不幸か、死は良いもので生は傲慢か……
  • つぐみ
    つぐみ
    @hatsumikage
    2025年4月16日
  • つぐみ
    つぐみ
    @hatsumikage
    2025年3月26日
  • 円子
    円子
    @tsuburarara
    2024年5月18日
  • 竹
    @take_kaki
    1900年1月1日
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