記憶の本棚 "椿ノ恋文" 2026年5月19日

椿ノ恋文
椿ノ恋文
小川糸
「この世界って、遊園地みたいなものかもしれないわね。 ジェットコースターで恐怖を味わったり、メリーゴーラウンドでロマンスを知ったり、みんな、人生を謳歌するために遊園地に来るんじゃない? 遊園地で、思いっきり楽しむのが人生の醍醐味。怖いことや苦しいことも全部全部ひっくるめて、経験そのものを、楽しむってこと。 遊園地でどれだけ楽しめるかが、人生の真価のような気がするわ」 バーバラ婦人が話してくれるひとつひとつの言葉の粒が、宝石のようだった。 幸せは、日々もがく泥の中にあるのかもしれない。 はたから見たらその姿がどんなに無様で滑稽でも、私はそんな自分や、大切な人達が愛おしくなる。  ------------------------------------
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