@s_ota92
2026年5月19日
p49
「λに歯がない」
p72
「「常識でない行為に対して、常識的な判断をしても、駄目なんじゃないですか?」」
p81
「犀川が驚いた顔を西之園に一瞬向けた。もちろん、それが驚いた顔であると認識できるのは、世界でも西之園と喜多の二人くらいだろう。」
p104
「「あいつ、教授になるんだよ。」犀川は言った。」
p106
「「私、今もの凄く幸せです。これから、美味しい料理を食べるんです。大好きな人と一緒に。」」
p109
「「そう、死ぬことだってできる。」犀川は言った。「だから、生きている方が、少なくとも上位ではある。逆からは戻れないんだからね。しかし、たとえば、芸術家が、ある作品を完成させようとしているとき、それをいつ完成と見なすか、いつ作ることをやめるのか、と考える。その選択にも似ている。手を止め、創作をやめることは、つまり作品の死かもしれない。」「死ぬことで、個人が完成する、という意味ですか?」」
p114
「死んだ人間を、もう一度、生かす?真賀田四季ならば、それができる?」
p114
「「頭脳だって肉体のうちだ。単なるメディアだよ。」「メディア?そうじゃないものって……。」「コンテンツ。」「人間のコンテンツって、何ですか?」「信号だよ。」」
p129
「「自殺にも、ときどき、三島由紀夫みたいに、勝ち逃げのようなものがあるね。」」
p130
「「自分を自分だと思うことなんて、かなり危ういものなんだ。普通は、すべてを自分だと思い込もうとしている。鵜呑みにしているだけだけれどね。吟味しているわけではない。ただ、吟味をするようになると、吟味をしなければならない事項になると、自分ではない、自分らしくない、という判断があるわけで、それに対する感情も起こる。まあ、それだけのことだよ。」」
p133
「「うん、生きているのは、自殺を保留している人たちだ。」」
p135
「そうだ、愛することをやめた、諦めた。いつまでもは、愛せないのだ、生きているものは……。」
p141
「「すべては、イメージだ。生きていることも、生きているとイメージしているだけだ。死んでいる状態も、生きているものが、死んでいるとイメージしているだけだ。」」
p147
「「人間って、結局は自分の人生しか知らない。自分の時間しか経験していない。すべては、それと比較して、それを基準にして、推論するしかないんだ。」」
p152
「「ところで、保呂草という男をご存じですね?」」
p164
「まるで、戦争にかける金があったら、教育や福祉を充実させろ、という主張と同じだ。」
p189
「「保呂草さんのことをご存じですよね?」」
p211
「生きているって、そんなちっぽけな、石を少し移動させるだけのことだった。いえ、移動したい、と思うだけのことだった。」
p217
「真賀田四季は、人の生はプログラムのバグだと言った。ならば、死ぬことで、バグは排除される。さっぱり綺麗になれるのか……。」
p217
「人間は、命というものを、まるで自分の所有物であるかのように認識している。自分が獲得して、自分で育て上げたものだと錯覚している。自分の作品だとでも思っているようだ。それだから、それを取り上げられることに、最大の恐れと恨みを抱いているのだろう。でも、そもそも、すべては自然に発生したもの。自分ではコントロールが難しいもの。手に入れたり、交換したりできないもの。自分の中にあるようで、実は、自然と同じものなのだ。」
p221
「「うん、良い方向だ。」犀川は言った。」
p223
「「保呂草?」」
p237
「「そう……。西之園って子に、話してみたらどうかな?」」
p244
「赤柳は、西之園の言葉に少なからず混乱した。保呂草のこと、そして彼と真賀田四季の関係に、思いを巡らさずにはいられない。」
p252
「真っ黒に焼け焦げた死体、その白黒映像に、色が戻った。彼女は、そのときの記憶に欠けていた色彩を、ようやくこのとき思い出したのである。」
p260
「「もしかしたら、田村さんだから、λにしたのかしら。」」
p262
「この世のすべてを、壊してしまいたかった。もとどおりにならないくらいなら、綺麗に消してしまいたかった。こんな世界なんか、いらない。そして、自分もいらない、と思ったのだ。」
p265
「もっと大昔の仕打ちに対する仕返しのために、爆弾を抱えて飛び込んでいける、それが人間というものなのだ。」
p268
「国枝はケーキをほとんど一口で食べてしまうのである。」
p275
「「あの、実は、犀川先生から……、その……。」」
p277
「「引出しだよ。」」
p284
「正常な奴の方が、ずっと恐ろしく、悲惨で、そして、冷たい。」