阿久津隆 "響きと怒り" 2026年5月4日

阿久津隆
阿久津隆
@akttkc
2026年5月4日
響きと怒り
響きと怒り
ウィリアム・フォークナー
キャディの章が始まる。「冷えびえとした物悲しい夜明けだった」と始まるその章は、その行からこのページの終わりまで、青いボールペンの線が行頭に蓋をするように引かれていて、「そしてディルシーが小屋のドアをあけて外に現われたとき」というところも線が引かれている。次のページを開くと蓋の線はずうっと続いて、「ついに彼女はうしろを向いて、ふたたび家の中にはいってドアを閉めた」に線が引かれ、小屋のドアが開いてディルシーがふたたび現われたが」にも線が引かれ、蓋の線はそこでおしまいになって、フレーズに引かれる線はまだいくつかあって、「いっ時してから、彼女はこん度は開いた雨傘を持って現われ」に引かれ、それから「傘をたたむと、入り口のすぐ隅のところにそれを立てかけた。彼女は薪のストーヴのうしろの箱の中へどっとおろした」には線と併せて「カメラが切り替わる」というメモもあって、大学生のとき、何かしらの真面目さや律儀さを持って小説を読んでいたのだなあと思う。ところでキャディの章だとばかり思っていたら、ディルシーの章だった!
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