
阿久津隆
@akttkc
2026年5月10日
読み始めた
昼寝のために布団に移動し、そこで『土にまみれた旗』を読み始めることにして、ずうっと文庫本を読んでいたので、どでかい単行本はどでかく、重く、だから持ち上げることはなく、開いた。
p.10
いつものように、フォールズ老人はジョン・サートリスをその部屋に連れこんだ。郡の救貧農場から三マイルの道を歩き、ある匂い―彼の色あせたオーバーオールにしみついた、汚れてはいないが埃っぽい匂い―のように、死者の霊をその息子が座っている部屋に連れてきたのだ。そこで彼ら二人、つまり生活保護者と銀行家は、死をこえて戻ってきた男と一緒に半時間ほど腰をおろしていた。
魅力的な始まり! 『アブサロム、アブサロム!』のクェンティンとミス・ローザがミス・ローザの家で対峙する始まりと似ている感じもあって、それにしてもあのクェンティンは、ただ無垢な、空っぽの空洞だと思っていたクェンティンが、そんな存在だったとは、と『響きと怒り』を経て思うというか、もうその名前が響かせるものがまったく変わった。
その段落だけ読んで昼寝を始めた。