土にまみれた旗

土にまみれた旗
土にまみれた旗
河出書房新社
2021年6月29日
39件の記録
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月21日
    残りを読んで、ナーシサが出産した。まどろむような時間のなかでナーシサとミス・ジェニーとジョニーと名付けられた子どもは暮らして、ミス・ジェニーが墓場に行って、一族の墓を見て回った。そこにドクター・ピーボディと息子のルーシュがやってきてしばらく話して、ミス・ジェニーが去っていった。その後ろ姿を見ながらルーシュは「そしてまたもう一人、ですか」と言って、「やがて大きくなり、家の人たちに気を揉ませ続けて、結局はそうするだろうとみんなが思っていることをやりおおせる、そういう者がまた一人というわけですね。まあ、あるいはあのベンボウの血が、いくらか落ちつかせるかもしれませんが。物静かな人たちですからね、あの娘の方は。ホレスは言ってみれば…………それに女手だけで育てるわけで…………」と言って、父は「サートリスの血も入っとるんだからな」と言った。 それからミス・ジェニーは帰宅し、ナーシサとふたりで過ごし、ナーシサがピアノを弾いた。ミス・ジェニーはジョニーについて話し続けていた。 p.539,40 ナーシサは、まるで何も聞いていないかのように、うっとりと、気もそぞろに演奏していた。それから、手もとめず、振り返ることもなく、彼女は言った― 「あの子はジョンじゃありません。ベンボウ・サートリです」 「何だって?」 「あの子の名前はベンボウ・サートリスです」と彼女はもう一度言った。 ミス・ジェニーはしばしのあいだ、身じろぎもせずに座っていた。隣の部屋ではエルノーラが、夕飯の食卓の準備で動きまわっている。「それで、何かの役に立つとでも思っているのかい?」とミス・ジェニーは問いただした。「名前一つで、あの連中の一員を変えられると思っているのかい?」 10行くらいするとまたミス・ジェニーは口を開いた。 p.540 「そう思うのかい?」ミス・ジェニーはもう一度言った。「名前がベンボウっていうだけで、あの子がいくらかなりともサートリスじゃなくなって、ならず者や愚か者じゃなくなるって?」 それでもう少しすると小説は終わりになって、サートリス家の男たちの呪われ具合というか、どうしようもない具合のこき下ろし方がすごくて笑ってしまうとともに、ナーシサの静かな決然としたそれは、『サッド ヴァケイション』の板谷由夏を思い出させた。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月20日
    ベイヤードにクリスマスの朝が訪れ、それから迷惑な滞在をして、馬車に乗せてもらって、どこに向かうのかわからない列車に乗った。すると最後の部に入ってホレス・ベンボウが駅に行って、何か箱を受けとって、小エビが入っているとのこと。ああ、そうだった、と思い出して、『サンクチュアリ』でもベンボウは小エビの入った箱を受けとって、ぽたぽたと道を濡らしながら家まで運んでいく、そのことに嫌気が差して家を出た、そういう話があった、これがそれかと思って、ホレスが木箱を抱えて歩く様子を眺めた。 p.502 腕は痺れてきていたが、一つ目の目標である―そこで最初に持つ手を替える―消火栓は、まだ一〇〇ヤード先だった。そこに到着して木箱をもう片方の手に持ち替えたときには、指はいっさいの感覚を失い、二頭筋は袖の中で少し痙攣していた。こうやって、肉体訓練に関する理論がすべて誤っていると証明するのだ。この調子でいけば、これからの毎週火曜日、持つ手を替えずに少しずつ先まで行けるはずだし、やがてクリスマスまでにはずっと手を替えずに家まで荷物を運べるだろう。そして一〇年後のクリスマスには、こいつらがやって来たガルフポートからずっと運べるだろう。もしかしたら賞がもらえるかもしれない。少なくとも、名前のあとに続く文字が増えるだろう。CS。小エビ運搬人(Carrier of Shrimp)。H・ベンボウ、MA(文学修士)、LLD(法学博士)、CS 汝さらに幸せなりし こんな生活、そりゃ嫌になるわ、という感じだった。そのあとはナーシサとミス・ジェニーの場面で、やはりベイヤードは帰ってこず、どこかに行ってしまったみたいで、だからふたりで過ごしていて、ミス・ジェニーに耄碌の現れを感じたナーシサがショックを受け、僕もショックを受け、ナーシサをひとりにしないでほしい、と懇願するような気持ちになって、眠気がなかなかやってこず、随時、明日は試合だ、といううっすらとした緊張感、高揚感のようなものがあり、これはなんだろう、と思ってから読書を続けて、『サンクチュアリ』の酒場みたいな酒場が出てきて、そこでベイヤードは冷たい目をして酒を飲み続け、それから翌日、「みすぼらしい男」とだけ呼ばれる男とベイヤードが飛行場にいる場面に移って、ああ、飛ぶのか、そうやって終わらせるのか、と思って、今日はここでやめることにした。今日はまだ、その出来事に触れたくなかった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月19日
    おしまいが近づいてきて、ベイヤードの狩りの日々が続いていて、けっこう何日にもわたって滞在しているように見えるが、どのくらい滞在しているのだろう。クリスマスが迫っていて、ベイヤードは家に帰らなくていいのか、とマッカラム家の人たちも思っていることだろう、とベイヤードが考えていた。僕もマッカラム家の人々と同じことを考えていて、いつまでいるのだろうか、と思っている。ナーシサのもとに帰ってほしい、と思っている。ベイヤードはクリスマスの日に馬のペリーに乗ってマッカラム家を辞して、しかし家には帰らず、道を外れ、真夜中、見つけた小屋を訪れて、「寒空に人を立たせておくものじゃないぜ」と横柄なことを言って、泊まらせてもらった。この人はこのあとどうするつもりなんだろう、と思いながら読んでいる。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月17日
    まだマッカラム家にいて、犬がいて、犬の描写があると救い。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月16日
    車に乗っていた。助手席にはオールド・ベイヤードがいて、車はすごい速さで走っているみたいで、この老人は、なんでこんな走行を孫に許したんだ、と思いながら読んでいると、車はスリップし、道から外れて、土手に乗り上げ、宙に浮かんだ。何が起きているのか正確には読み取れないが、飛んで跳ねて、それからまたどうしてなのかエンジンを全開にして、それから停めた。ベイヤードは煙草を取り出して、「車がひっくり返るぞっていうときには、あのいまいましいコンクリートの橋を思い出しましたよ」と言って、それから祖父のほうを見て、祖父がさっきと同じ姿勢でいることに気づいて、声を掛けても、体をゆすぶっても、うんともすんとも言わないことに気づいた。何やってんの! と思って次の章に行くとベイヤードは馬に乗って、マッカラム家に行った。これは、どういう時間なのか、事故からどのくらいが経ったのか、とわからないまま読んでいると、マッカラム家の若者たちが街に行って帰ってくるみたいな情報に触れたとき、「これでこの人たちも知ってしまう」とベイヤードは思って、それから、「ええい、くそっ、そうだったとしたらどうだというんだ」と思った。 p.444 おれが責められねばならないのか? おれが祖父に一緒に乗ってくれとしつこく言ったか? おれがあの老人に役立たずの心臓を与えたのか? そして冷ややかに―おまえは怖くて家に帰れなかった。黒ん坊に言いつけて、馬を連れてこさせたのだ。おまえというやつは、うまくいかないかもしれない、うまくいく可能性さえないかもしれないと、おまえの判断力が告げていたことをわざとやっておきながら、怖くて自分自身の行為の結果に直面できないのだ。すると再び、彼の中の深いところで眠らずにいる、邪険な何かが、弁明と正当化と非難のうちに燃えあがるのだが、何が何に向かって燃えているのかはわからなかった。誰のことなのかもわからなかった―おまえがやったのだ! すべておまえのせいでこうなったのだ。おまえがジョニーを殺したのだ。 いやー、しんどい。それからベイヤードは寝床に入り、しかし眠れず、外に出ようとして、ショットガンに触れて、外の寒さは強烈で、それから部屋に戻って、薄い布を隔ててすぐ先に死があるような感じがずうっとあって、苦しい。
  • この頃のフォークナーにはまだキレがなく、冗長。しかし文体は冴えていなくもないかな。しかしこれだと内容をカットされても仕方ないか。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月14日
    ミス・ジェニーがナーシサに向かって「お聞き」と言った。 p.409 「これからはもう、あの子と一緒にあの車に乗るんじゃないよ。いいかい?」 「ええ。そうしても、あの人をゆっくり運転させることなんてできませんから。何をやっても無駄なんです」 「そりゃそうだよ。うまくいくだなんて誰も信じちゃいないんだ。ベイヤードでさえもね。ベイヤードは、あの子本人と同じ理由で一緒に行くのさ。サートリスっていうのは、血なんだよ。ひとり残らず野蛮人さ。まるっきり、誰の役にも立ちゃしない」二人はそろって、跳ねる炎をじっと見つめていた―ミス・ジェニーの手は、まだナーシサの頭の上に置かれている。「巻きこんでしまって悪いと思ってるよ」 また涙がこみ上げて、目のふちが熱くなるのを感じた。やるせない気持ち。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月10日
    場面が変わると全員集合みたいな食事の場面で、オールドとヤングのベイヤード、ナーシサ、ミス・ジェニー、そしてホレス・ベンボウもいればドクター・ピーボディもいる。弛緩した穏やかな場面で、ベイヤードの破滅はまだ先ということだ、少しホッとした。みんなでご飯を食べていた。 p.406 七面鳥の蒸し焼き、ハムの燻製、ウズラ肉の料理とリス肉の料理、敷きつめたサツマイモの上にのっている焼いたオポッサム、トウナスにビートのピクルス、サツマイモにじゃがいも、ライスに挽き割りトウモロコシ、ホットビスケットとビートンビスケットにやわらかいコーンブレッドの長いスティック、イチゴと洋ナシのジャム、マルメロとリンゴのゼリー、そして煮つめたクランベリーに酢漬けのモモ。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月9日
    ベイヤードとナーシサがドライブをして、砂糖黍を引く馬を見下ろして、それからオポッサム狩りに出かけた。 p.396 ベイヤードは木に寄りかかっていた。梢と、その彼方にあるやわらかい空を眺めやり、手にした煙草はゆっくりと燃えるにまかせていた。ナーシサは、ランタンの光を背にしたベイヤードの陰気な横顔を見て、さらに身を寄せた。しかしベイヤードは反応せず、彼女は彼の手の中に自分の手を滑りこませた。だが、その手も冷たかった。彼はまたしても、彼女をあとに残し、孤独な絶望の高みへと向かっているのだ。 不意にベイヤードがこういう状態になったので背中がひんやりするのを感じて、辛い気持ち。ベイヤードのこの状態に対する僕の辛い気持ちはなんだか不思議な感じがあったが、けっこう強いものだった。先日『サンクチュアリ』のことを少し検索したらナーシサが未亡人と紹介されているのを見て、それはつまり、ベイヤードの死ということか? とずっとうっすら思いながら読んでいる。このページの終わりにも「逃れ得ぬ破滅」とあって、破滅はやはり、逃れられないのだろうかと思い、気持ちが沈むのを感じた。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月8日
    サイモンが教会の人たちを連れてきて、サイモンが預かって使い込んでしまった金をオールド・ベイヤードに支払わせようというところだった。ベイヤードがわしはそんな金は払わんぞと言うとサイモンは「誰かが連中に払わにゃならねえってことは、議論の余地がねえんです」と言い「誰かが連中を落ちつかせねえと、わしは牢屋に入れられちまうんですから」と言い「で、そうなっちまったら、おめえさま方はどうなさるんで?」と言い「馬どもに餌をやってきれいにしてとくやつもいねえ、家をきれいにして食卓の世話をするやつもいねえときたもんだ」と言い「実際、わしはいいんですよ、牢屋にへえったって」と言って、ずいぶん厚かましくてよかった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月7日
    「あなたは返じをくれません。受けとっているのは知っていますハンドバッグに入っているのを見たのです。すぐに返じをくれた方がいいと思いますわたしは熱にうなされて眠ることもできないやけになった男です。あなたを傷つけたりはしませんがやけになった男なのです。憶えておいてくださいあなたを傷つけたりはしませんがやけになった男なのです」という手紙をナーシサは受けとって、なかなか「わたしはやけになった男です」という自認を見ることはない気がして、新鮮で、新鮮なおぞましさで、しかしナーシサは読んでいるのか読んでいないのか、ベイヤードの部屋を訪れては本を朗読して過ごし、ベイヤードがギプスが取れて動けるようになるとドライブに出た。もう二度と速く走らせたりはしないと約束をしていた、二度約束した、最初ナーシサは心配したが、走っているうちに十分にベイヤードが理性的であることを見てとって安心した、リラックスして助手席に座っていた、松の木々がさわやかな香りをあたりに漂わせていた、丘の頂上をこえて、下って平らになってまっすぐ伸びていく道が向こうに見えて、ベイヤードが「あそこだ」と言った。 p.356 「あそこ?」と彼女は夢を見ている人間のように繰り返した――が、それから車が再び速度を増しながら前進していくと、彼女は我に返り、彼の言葉の意味を理解した。「約束したでしょ」と彼女は叫んだが、彼はスロットルレバーをぐいと歯止めの下におろした。彼女は彼にしがみつき、金切り声をあげようとした。しかし声は出てこなかったし、狭い橋が踊りながら猛スピードで向かってきたときに目を閉じることもできなかった。さらに、車がトタン屋根を打つ雹のように鋭い反響音を立てながら、立ち並ぶ柳と激しくきらめく水面のあいだを走り抜け、次の丘を駆けめぐっていったときには、彼女の呼吸は、そして心臓も、とまらんばかりだった。 車が停まるとナーシサは泣きじゃくって、僕も涙がこぼれるのを感じた。ベイヤードは「そんなつもりじゃ――」とばつが悪そうに言って、「ただ、やれるかどうか試してみたかったんだ」と言って「そんなつもりじゃ――」と言おうとして、僕は涙が広がるのを感じた。これはしんどい。やむにやまれぬことがこれであるということ、それがしんどい。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月5日
    オールド・ベイヤードとミス・ジェニーとアルフォード医師が連れ立ってメンフィスに行って名医に診てもらうことになるところで、人違いとかオチの感じとか、滑稽な場面で、最後は画面がアイリスアウトするような、そんな感じがあった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月4日
    フォールズ老人が南北戦争のときの話をオールド・ベイヤードに長々と話して、それからスノープスが下宿先を変えて、スノープスは、スティーヴ・ブシェミではなく、誰だろう、あの顔、陰気な、いい顔、あの顔で浮かんでいるのだが、その顔に名前が、つきそうでつかない。とにかくスノープスはその顔で、しんどい手紙を書いている。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月2日
    ベラが不機嫌で、ホレスは呑気で、ハリーは元気で、ナーシサは神経質だった。ベンボウ家の話が意外に続いて、サートリス家の話に戻ると安心した。本を閉じて眠ろうとしたが全然眠気がなく、諦めてまた明かりを灯すと読書に戻り、ベイヤードが畑仕事をして、車にはあまり乗らないようになり、落ち着きを取り戻したかと思っていたが、夏になり、畑仕事がなくなって呆然と過ごす、嫌な予感が小さく挟まれた直後に自動車ごと川に落下して、それを黒人の親子が見つけた、親は、関わったら自分たちが嫌疑をかけられるだけだから放っておくよう言うが、息子は進んでいって、親も渋々付き合い、ベイヤードを引きずり出した。子どもが「死んでるの、父ちゃん?」と訊き、親が「あたりめえだ」と言ったので、死んだのか、こんなにあっさり死んだのか、と思って読んでいると半ページ後ぐらいでうめき声を上げたのでまだ生きていた。なので助けて荷馬車に乗せてやった。ベイヤードが目を覚ますと、「この野郎、手を放しやがれ!」と言い「何か使ってこいつをぶん殴れ!」と言い「怪我してるんだぞ、こん畜生が!」と言い、助けてもらったのになんでこいつはこんなに態度が悪いんだよwww と思う。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年6月1日
    3時半ごろ布団に入るとホレス・ベンボウがテニスをしていた。ペアを組んだ少女にホレスが「きみは詩人は好きじゃない?」と尋ねると「詩人はダンスができないわ」と答えていた。なんとなくベンボウ家の章はグロテスクな陰気さみたいなものが漂っている感じがあって、うっすらずっと不愉快。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月31日
    引き続きナーシサとホレスのベンボウ家が描かれて、ナーシサにとって兄ホレスは「脚であれ何であれ、移動する手段といったものをまったく備えていない感じがする優しい存在」だったそうで、脚であれ何であれ移動する手段といったものをまったく備えていない感じというのは、いったいどうやったらそんな印象を人に与えられるものなのか、まったく想像がつかなかった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月30日
    ホレス・ベンボウが登場して、わあ、ベンボウじゃないか! という再会の気持ち。ベンボウは『サンクチュアリ』でメインを張った弁護士だ。冒頭から「上品で繊細ではあるが役立たずの人間であるという雰囲気」というひどい形容のされ方で、そのあとも何度も「役立たず」という言葉が出てきて、ウケた。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月29日
    ベイヤードたちはまだ酒を飲んでいて、それから楽器奏者を集めて夜で、ひっそりと車を走らせて、ある家の前に停めた。 p.192 黒人たちがおりて、コントラバスとギターをとり出した。三人目は鍵が霜のように覆う細長い管楽器を持ち、その上ではまだらに落ちる月光が青白い点となってきらめていていた。三人の黒人は頭を近づけて立ち、ひそひそ話しあい、楽器の弦に手を触れて、もの悲しい、低くおさえた和音をかき鳴らした。それから、クラリネットを持った黒人が、それを持ちあげて唇にあてた。 古い曲だった。洗練され、形式的に複雑なものもあったが、演奏されるとそうしたところは消え去り、代わりに一様にもの悲しさを帯び、音に切れ目がなくなってリズムは単純なものとなった。曲は豊かな、もの悲しい和音となって銀色の大気に漂い、単調な繰り返しとなって、見通しの悪い月明かりの道に沿って薄れ、消えていった。 きれいな静かなうっとりとするような優しい場面で、なんだか不思議というか、フォークナーを読んでいる感じがあまりしないというか、時代の感じもあってだろうけれど、車の疾走、それから奏でられる音楽、その感じはなんだか、フィッツジェラルドを読んでいるみたいだった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月27日
    p.175 弓形に並ぶ歯を凶暴にむき出し、青銅色をした爆発を起こしたかのように高く飛び跳ね、黒人が身を投げだして腹ばいになる。ベイヤードは、サーベルのように切りつけてくる蹄の下でひらりと身をかわした。馬が炎のように千々に体を動かしながら旋回すると、見物人たちにはベイヤードが馬のあごに手綱の端をうまく巻きつけていたとわかった。そして彼らが見ていると、馬は再び後ろ足で立ち、ベイヤードを地面から引きずりあげ、その肉体をぼろ切れのように、さっと弧を描いて振りまわした。それから馬は動きをとめ、身を震わせた―巻きつけた手綱で、ベイヤードが鼻孔を締めつけたのだ。そして彼はいきなり馬の背にまたがった。馬は頭を下げ、目玉をぐるぐるまわしながら立っており、波打つ毛並みは揺れる舌となって、再び爆発しようとしていた。 それで馬とベイヤードは駆け出し、木戸を木っ端微塵に砕けさせて轟音を響き渡らせ、道に出て、走っていって、すごい場面で、車の次は馬の疾駆で、スピードに次ぐスピードという感じで、盛り上がるというか、強烈な展開だった。しばらく走るとベイヤードは振り落とされてしっかり怪我をした。それから酒を飲んだ。ベイヤード、だいぶしんどそう。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月26日
    p.157 ベイヤードが身をかがめ、その前腕が緊張するのをサイモンが見ると、車は鈍い雷鳴のような音を立てて後ろへと吐き出され、荒れ狂う埃まみれの蔓となり、まるで速度が灰褐色の渦巻く嘔吐となっているかのようだ。路傍の青葉は堅いトンネルとなり、とぎれることなく流れていく。 スピード! という感じで、速そうでかっこいい描写。サイモンは車を降りて、ベイヤードは広場まで走って、するとマッカラムという友人と出会って食堂の奥の部屋に入った、そこでマッカラムは密造酒を取り出して、ヘンリーという人がつくったものなのだそうで、ヘンリーって、『サンクチュアリ』のあの家のやつだっけ、と思う。ベイヤードは「行儀よくしているのはもううんざりだ」と言って戦争の話を始めて、ベイヤードが行儀よくしていた試しなんてあっただろうか、と思いながら読んで、ベイヤードの話は止まらなかった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月25日
    p.148 わたしは一度あなたのことを忘れるようにつとめようと思いました。しかしわたしはあなたのことをわすれることができません。なぜなら、あなたがわたしのことを忘れることができないからです。わたしは今日、あなたの手さげかばんにわたしの手紙が入っているのを見ました。毎日わたしは手をのばしてあなたにさわることができますが、あなたはそのことを知らないのです。ただあなたが通りを歩いていくのを見るだけで。わたしが知っていることあなたが知っていることを知るのです。いつかあなたがそれに慣れたとき、わたしたちは一しょに知ることになるのです。 スノープスが宿屋の少年に気持ちの悪い手紙を代筆させていた。スノープスって誰だっけ、と思いながら読むと寝た。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月22日
    ベイヤードのおでことかにコブみたいなものができたとかで、心配したミス・ジェニーが病院に連れていったところで、若い医師の進言にもかかわらずオールド・ベイヤードは頑なに治療を拒んで、途中で『死の床に横たわりて』でも登場したピーボディ医師がやってきた。「痛みはあるんかい?」と尋ねた。 p.133 「ありませんよ。痛むだなんて言ったこともない。それにわしは地獄に落ちようと絶対に―」 「おまえさんはたぶん、どのみち地獄に落ちるだろうよ」ドクター・ピーボディは言った。「死んじまった方がいいくらいなんだろう、どうせ。おまえさんほど生きているのを楽しめない人間は、他に知らんよ」 「今度ばかりは本当のことを言ったね」と、ミス・ジェニーが同意した。「わたしは生まれてこのかた、これほどじじむさい人を知りませんよ」 みんな言いたい放題だった。いまいち、オールド・ベイヤードとミス・ジェニーの年齢の感じがわからないまま読んでいる。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月21日
    オールド・ベイヤードは屋根裏部屋みたいなところに入って、大きな箱を開けて、大きな聖書を手に取った。 紙は経年のために褐色でやわらかな美しさをたたえ、その手触りはわずかに湿った木灰のようで、まるでそれぞれのページが、古風で消えかかった印刷によって、手つかずのまま保たれているかのようだった。彼は気をつけて後ろへとページをめくり、見返しの遊びの部分を開いた。最後の白紙のページの下の方から、人名と日付の列がひどくそっけなく、薄れながら上へとのび、時がのしかかるにつれて次第に薄くなっている。ページの最上部の文字はまだ読めたし、それは前のページの最下部も同様だった。だがそのページの中ほどまでのぼったところで文字の列は絶え、そこからは白紙となっていて、時がうっすらと残した薄いまだらのしみと、意味ありげではあるが意味を持たない、たまたまペンを走らせた褐色の跡があるばかりであった。 ベイヤードは長いあいだ座ったまま、自分の神格化された名が仮借なく消えていくのを見つめていた。サートリス家の者たちは〈時〉をあざ笑ったが、しかし〈時〉は報復を望んだりはしなかった。〈時〉の方がサートリス家の者たちより長生きだからだ。たぶん、彼らのことを気にもとめなかっただろう。だがそれでも、それは悪くない身ぶりだった。 \<q class="quoteinfo-wrapper"\>\<span\>ウィリアム・フォークナー『土にまみれた旗』(諏訪部浩一訳、河出書房新社)p.124\</span\>\</q\> それからベイヤードは過去に思いをめぐらして、父の声が聞こえ、戦場が浮かび、髑髏に見返され、それから天国のことを考えると、万年筆を取り出して人名と日付の列のところに「ジョン・サートリス。一九一八年七月五日」と「キャロライン・ホワイト・サートリスと息子。一九一八年一〇月二七日」と書き込んだ。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月19日
    p.112 その夜、夕食のとき、オールド・ベイヤードはローストマトンごしに孫を見やった。「ウィル・フォールズから聞いたんだが、おまえは今日、救貧院の坂道で、あの男を時速四〇マイルで追いこしたそうじゃないか」 「四〇だなんて、馬鹿馬鹿しい」とミス・ジェニーが即答した。「五四マイルでしたよ。わたしは見ていたんだからね、あの―何といったかね、ベイヤード?―スピードメーターを」 ヤング・ベイヤードは帰ってくると車狂いというかスピード狂いになって日々車をぶっ飛ばして街の人を驚かせていたが、ミス・ジェニーは一度助手席に乗ってみるとそのスピードをいたく気に入ったらしく、それからはよく一緒にドライブに出かけるようになった。なので孫を擁護するというか甥をからかう、滑稽な場面。 彼女はヤング・ベイヤードからすると大叔母ということだろうか。もうひとつ上になるのかな。きっとあるであろう家系図を見れば一発でわかることだが、なんでなのか僕は見ようとしない。ともあれおじいちゃんの叔母というのは、なんという言い方になるのだろう。大大叔母。変換されたから、これだろうか。おーおーおば。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月18日
    ナーシサが陰気に話していて、かつてジョン・サートリスが気球で飛んで、パラシュートで着陸する、無鉄砲な遊びをする場面を思い出していた。ジョンの服はずたずたに裂け、顔には引っかき傷ができていたが、それは「とり逃がすことが損失ではなく純化となるほどに素晴らしい願望を、一瞬だけでも叶えることができた人間が持つ表情」ということだった。とり逃がすことが損失ではなく純化となるほどに素晴らしい願望。どういうことだろう、と思って二度、三度と読んだが、純化というのが何を指しているのかわからないらしく、わからなかった。ジョン・サートリスはオールド・ベイヤードの父の名であり孫の名でもありそうで、このジョンは孫のほうで、その兄弟はベイヤードだ、ジョンは戦死した、ベイヤードは帰ってきた。少しずつ家系図ができていく感じがあった。合っているかはわからない。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月17日
    今度はキャスピーという青年が戦争について語っていて、この人は誰だろうと思いながら僕は話を聞き、家族たちは、「それで、どうしたんだ?」と食い入るように話を聞いた。 p.86,87 キャスピーはコーヒーを飲み干した。「おれはもう、白人の言うことなんてきかねえぞ、中尉だろうが、大尉だろうが、それとも憲兵だろうがよ。戦争は白人連中に、黒人なしじゃやってけねえことを見せてやったんだ。踏んづけて土まみれにしときながら、困ったことがおっぱじまると、「お願いしますよ、黒人のだんな。さあ、ラッパが鳴ってる方へお願いしますよ、黒人のだんな。おめえさまが国の救い主ですよ」ときたもんだ。けど、これから黒人は、戦争の恩恵とやらを受けることになるんだ。それも、すぐにだぜ」 「そうか」とサイモンはつぶやいた。 ここでいう戦争は第一次大戦で、これまでフォークナーはずっと南北戦争だったから、ずいぶん未来になってきたものだと思うし、なぜか、もっと古い話を聞かせてほしい、という気持ちにもなった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月16日
    今日のフォークナーはあまり面白く感じなくて、日によるものだった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月15日
    p.56 月が東方の黒々とした丘陵の壁の彼方に出ており、谷間を穏やかに照らしていた。馬車道に沿って生えている樫やニセアカシアの木の向こうで、子供の風船のようにのぼっている。ベイヤードは月光の下、ベランダの手すりに足をのせて座っていた。葉巻がときおり赤く光った。すぐ近くの草むらからはコオロギの甲高い単調な鳴き声が聞こえ、遠く離れた木々のあいだからは若い蛙たちが妖精の笛のような音を、無数に湧きあがる銀色の泡のように出している。 ここを読んだ瞬間、たぶん「コオロギの甲高い単調な鳴き声」あたりの瞬間に、ぶわっと、大田原の、母方の実家の感じがやってきて、「うわっ」とびっくりした。小さなころは泊まりにいったときに寝るのは一階の奥の畳の部屋だったり、おばあちゃんの部屋だったりだったが、高校生とか大学生になって一人で行って泊まるときは二階のいとこがかつて使っていた部屋になったりして、その部屋は腰の高さのところに窓があって向こうが奥行きの狭いベランダが、そんなにそこに出た記憶はないけれど、あって、そこに出たら夜であれば空は月と星しか光はたぶんなくて、夜に出たことはないけれど玄関を出て庭があり、舗装が途切れるところからは畑になり、少し進めば竹林が壁になって高くまでそびえて、ぽっかりと空いた林の入り口から下り坂になって、下って林を抜けたら田んぼが広がっている。どこまでがうちの敷地なのかはわからないが、考えてみたら田んぼ側からは誰でも入ってくることはできるわけで、馴染みのない真っ黒の、静かな、あるいは虫と蛙の音で騒がしい夜のなかで、境界のない家というのはどこかで意識はされていただろう、だから不安だったということでもないけれど、特別な夜ではあったはずで、その感じが急にやってきてうろたえた。そのあと戦争から帰ってきた孫がハイテンションで不機嫌に話し続けて、「暴力とスピードと死の物語」が口から溢れ、何度注意されても声は高まって、抑えられない様子だった。「ジョニーのことを話しておくれ」とミス・ジェニーが話して、ジョニーというのはヤング・ベイヤードの兄弟とかっぽかった。戦死したっぽかった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月14日
    ベイヤードの屋敷のところで犬が登場した。二匹だ。ベイヤードが馬車から降りるのを待って、それからベイヤードが馬に乗るのをおとなしく待った。 p.50 そうして彼らは、その生涯の暮れなずむ黄昏が、二つの生命を生み出した優しい大地の上で平和な終わりへと向かって近づいていくあいだ、季節ごとに変化する牧草地や野原や森林を静かに急がず歩いて、午後をともにすごすのだった―人間は馬に乗り、まだらのセッターはその隣に重々しくつき従いながら。若い犬の方は二歳にもなっておらず、彼らの落ち着いた社会に長く調子をあわせるには、本質的にあまりにもせっかちだった。ときには彼らと一緒に出発したり、どこかからやってきて野原の真ん中で彼らと一緒になり、はねをとばし気負い立って、走りまわったりもしたが、それは長くは続かなかった。すぐに舌を垂らし、尾をぴんと張って鋭く振り動かし、彼を猛り狂わせる捉えがたい匂いを追って走り去らずにはいられなくなる。世界はそうした匂いで彼をとり囲んでおり、ありとあらゆる藪や雑木林や峡谷から彼を誘惑するのだった。 ほっこり。フォークナーとは思えない穏やかな場面だ、と思ってから、そういえば僕は短編の「熊」をすごく面白く読んだような記憶があり、それがどんな話だったかは覚えていないけれど、実はフォークナーの描く動物が好きだったりもするのだろうか、と思ってから、短編まではいいかなと思っていたけれど、『熊 他三篇』も読んでもいいかもしれないし、短編がいいなら、『エミリーに薔薇を』も読みたい気持ちにもなってきたし、そう考えてみると、短編でフォークナーがどんなふうに小説を組み上げるのか、がぜん興味が湧いてくる感じがあった。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月12日
    ジェニーが晩餐会みたいなところにいて、サイモンがたぶんその家の台所に入って、馴染みの顔らしく、何か食べるかと料理番に訊かれると「アイスクリームをちょっとと、野菜をいくらかもらうとするよ」と言って、アイスクリームについてしばらく話し、そうしていると女中が「ねばねばした液体の入ったボウル」をサイモンの前に出して、多分それがサイモンが所望したもので、サイモンは「溶けたアイスクリームの中にホウレン草を入れ」て食べていて、アイスクリームの中にホウレン草、と私は考えた。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月11日
    まだ面白くはなく、フォークナーの始まりの時間が面白くないのはそういうものだから、そういうものだと思いながら読む。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月10日
    昼寝のために布団に移動し、そこで『土にまみれた旗』を読み始めることにして、ずうっと文庫本を読んでいたので、どでかい単行本はどでかく、重く、だから持ち上げることはなく、開いた。 p.10 いつものように、フォールズ老人はジョン・サートリスをその部屋に連れこんだ。郡の救貧農場から三マイルの道を歩き、ある匂い―彼の色あせたオーバーオールにしみついた、汚れてはいないが埃っぽい匂い―のように、死者の霊をその息子が座っている部屋に連れてきたのだ。そこで彼ら二人、つまり生活保護者と銀行家は、死をこえて戻ってきた男と一緒に半時間ほど腰をおろしていた。 魅力的な始まり! 『アブサロム、アブサロム!』のクェンティンとミス・ローザがミス・ローザの家で対峙する始まりと似ている感じもあって、それにしてもあのクェンティンは、ただ無垢な、空っぽの空洞だと思っていたクェンティンが、そんな存在だったとは、と『響きと怒り』を経て思うというか、もうその名前が響かせるものがまったく変わった。 その段落だけ読んで昼寝を始めた。
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月10日
    夜、もう一度最初のパラグラフから始め、死者が部屋の中で強い存在感を放っていた。縮約版のタイトルは『サートリス』だからこの死者であるジョン・サートリスの物語ということになるのだろうか。今が現代で、ここから過去に過去に時間が雪崩れこんでいくのだろうか。そのとき息子のオールド・ベイヤードたち現代の人物たちは、どんなふうに物語る媒体、物語を反響させる空洞になっていくのだろうか。
  • chroju
    chroju
    @chroju
    2026年5月9日
  • 阿久津隆
    阿久津隆
    @akttkc
    2026年5月8日
    海外文学のほうに行ってラテンアメリカ文学のところをチェックし、それからアメリカ文学のところに寄っていき、フォークナーを探した。『八月の光』があり『野生の棕櫚』があり、それから『エミリーに薔薇を』があってこれは『野生の棕櫚』と同じ中央公論新社の薄紫の文庫で、短編集とあった。その横に大きなハードカバーがあって『土にまみれた旗』とあり、どでかいハードカバーで、黒と赤の矩形とおびただしい文字で構成されたかっこいい装丁で、長編のようだった、知らないタイトルで、スマホを出して調べてみると『サートリス』は縮約版で、その完全版がこれということらしかった。『サートリス』はタイトルは知っていた。それでウィキペディアを見ているわけだが、フォークナーの作品年表を見ると『サートリス』が1929年の刊行で『響きと怒り』も1929年の刊行で、このどでかい本とあのどでかい本を同じ年に出しているというのはいったいどういうことなんだと慄き、ともあれフォークナー熱は止まらないのでワンモアフォークナー。
  • 「ヨクナパトーファ・サーガ第一作」
  • 鳥澤光
    鳥澤光
    @hikari413
    2025年8月15日
    〈LE LABO〉のパフュームに刺激されて久しぶりに再開。ちょっとずつ読む。 フォークナーは光の筋。埃。パフンとした足音。
  • aco
    aco
    @_accco_
    2025年3月6日
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