
yt
@yt
2026年5月20日
彼女のカロート
荻世いをら
読み終わった
「にしてもお墓って、なんなんでしょうね」(p37)
聴こえないことを証明する無意味さ。
「持ち帰って来たクッキーの詰め合わせこそがその証拠だと彼は途中で気がついた」(p39)
わたしの声は本当に相手に届いているのか。
そもそも届くってどういう状態だ。
「どこから来ているのかさえわかれば怖いものなんてないのです」(p84)
(彼女のカロート)
「指から勝手に言葉が生えてくる、意味が生えてくる、その感覚について彼はあまりにも無防備であった」(p123)
見えないことを証明する無意味さ。
仮想的に見えていることにすれば、それは見えていることと同じだ。
「撤退こそが攻めの姿勢であると祖先からの遺伝子に定義づけられているからで、だから明後日の方へ向きながら、こちらを注視しているというのは、強者のせせら笑いに満ちた侮蔑でしかないというわけだ」(p198)
難読症が体験できるような、自分が理解した意味がどこかへ持っていかれるような、得がたい読書体験ができました。
(宦官への授業)









