むくげ "丕緒の鳥 十二国記" 2026年5月21日

丕緒の鳥 十二国記
『十二国記』シリーズを読んでいると、世界設定のリアル感と細やかさに唸らせられることが多い。これまでは政関連の法や人事の体制、また妖魔や麒麟などのファンタジー要素について特に感じさせられてきたが、本作では主に市井を舞台として、民として生きていることの臨場感を非常に感じた。 天上人である国の官吏と地方の官吏、そして地方の官吏と民たちとの間にはそれぞれ海のような溝があり、その溝をなんとか越えて想いを伝えようと必死に役目を果たす登場人物たちに心打たれた。 あらすじでは「男たちの」生き様という紹介だったが、最後の『風信』では女性視点で男性の官吏たちの言動が映し出されている。このあたりを考察してみても面白いかもしれない。また、物語が『丕緒の鳥』の鳥で始まり、『風信』の鳥で終わるのがとても流れとして美しいと思った。
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