
miho
@mehow
2026年5月20日
いくつもの鋭い破片 下
ブレット・イーストン・エリス,
品川亮
読み終わった
上下巻まとめてのメモ。
最初はエリスの私小説かと思いながら読んでいた。桁外れに裕福な家の子でスタイリッシュな美少年、でもカルチャー好きで根は陰キャ、だけどそのカルチャーが意外とメインストリーム寄りではっきり言ってダサめでスクールカースト上位グループからはじかれたくないエリス少年ね、わかるわあ、とか油断していたら、やっぱりエリスは曲者、だんだん彼の語りが信用できないものになってきて、そのうち不穏さの輪郭がくっきりしてきて、下巻残り4分の1で起きたスラッシャー展開はもう痛くて薄目で読まねばならなかった。
80年前後のLAの特権階級のティーンエイジャーたちは、尖っているようでそうでもない。豪邸に住んでアルマーニのシャツにグッチのバックパックで登校し、高級車を乗り回している子たちも、やはり不格好で不様で、嫉妬や焦燥に振り回される青春を送っていた。たくさんの固有名詞の羅列とMTV的な描写に、あの時代にあの環境でティーンエイジを送ったことへのエリスのこだわりのようなものを感じた。
『レス・ザン・ゼロ』にはあまり乗れなかったけれど、本書はとくに下巻に入ってからは一気読みだった。