
本屋lighthouse
@books-lighthouse
2026年5月21日
読み終わった
仲西森奈『ホームページ』
彼が少なくとも初期に重視した「会話」とは、ことば、それもロゴスをともなった有意味で明晰なことばを介して、ひとびとが意思疎通したり、合意形成したりする営みのさらに手前、同じ時と空間に身体をもった他者がいるときのふるまい全般にかかわってくる概念であると考えたほうが、その射程は広がるのではないかと思います。(p.192-193)
前著の時点で朱さんを通して語られるローティまたはロールズなどの哲学にあるユートピア性=ユートピアは辿り着けない場所であるからこそそこを目指しているときにだけ「どこかに」存在している、という感覚との相性がよく、その前提をもとに主張の軸である「会話をつづけること」について読むことになるから、人文書にしてはめずらしくわかりみがふかい〜となりながら読める1冊だった。でもわからなくてもいいし、わからなくても「共にある」ことはできる、というかそうでなくてはならない。それが「会話」をつづけるということだ。
そのような点で、本書は仲西森奈『ホームページ』と似たなにかを持つと感じた。あるいは、ローティの主張する「会話を続けること」の実践を本の中で、あるいは物語の中でおこなっているのが『ホームページ』とも言えるだろうか。仲西さんの小説は登場人物たちのおしゃべりの場面が魅力的なんだよな〜、と思っていた理由もここにあるのかもしれない。









