いちのべ "ちょんまげ手まり歌" 2026年5月21日

いちのべ
いちのべ
@ichinobe3
2026年5月21日
ちょんまげ手まり歌
児童文学のディストピア物か〜とぼんやり読み始めて、行われていることのグロテスクさに震え上がった。序盤の描写で、「えっ、これって……いやまさかそんなことある……?」と予感していた事態が確信に変わる恐ろしさよ。 平易な言葉で恐ろしいディストピアを描いた、息苦しく、しかし面白い作品で、この本の、本来のターゲットである、子ども時代に出会いたかった。あの頃の自分は、どんなふうに感じただろう。 > しかしのう、おみよ。いまはまだ、どんなにきれいで大きい国でも、さむらいは、人をころすことをやめてはおらん。ひとりのむすめのしあわせのために、じぶんの国のつごうを、がまんするような国はない。まだまだ、人の命より、じぶんの国をたいせつにしておるありさまじゃ。(p210) 1968年の初版刊行時、作者はどんな思いでこの台詞を書いたのだろう。そこから60年近く経つ今も、人の命より国がたいせつにされてしまっている。 架空の時代、架空の土地の出来事として書かれているからこそ、管理社会のリアリティが胸に迫り、2026年の「今ここ」と重ね合わせやすいのかもしれない。
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