まろ
@maro_books
2026年2月22日
言語化するための小説思考
小川哲
読み終わった
ララチューンの動画内で、ニシダが面白いと言っていた本。小川さんの作品は『君のクイズ』(友達は『君クイ』と略していた)しか読んだことがない。あまり面白くはなかったけど、1つの作品だけ読んで自分に合う/合わないの判断はしたくなかったし、タイトルにも惹かれたので手に取った。
この本には、「面白い小説とは何か」という問いに対する小川さんの解が、小説への愛と情熱と共に書かれている。あまりにも分かりやすいので、もし自分が小説家だったら、「これ以上書かないで小川さん!お願い!仕事が無くなる!!」と思うかもしれない。それぐらい、小説を科学している本だなと感じた。朝井リョウさんの帯コメントと被ってしまう部分もあるが、「へ~なるほど~!!勉強になるな~!!」という内容の後に「そんな常人離れの所業、アンタ(敬称略)にしかできねえよ!!!」と思わずにはいられない内容がサラッと書いてあって、ジェットコースターに乗っているみたいだった。
「小説はコミュニケーションである」と小川さんは何度も主張する。いかに他者(読み手)を意識して、「何を書くか」と「どのように書くか」を考えられるかどうか。小説に向き合う小川さんの姿勢に感動すら覚えた。
半面、これまで自分は作品(著者)とのコミュニケーションを疎かにしていたと思う。書いてある文章を読み、(一方的に)解釈する。読み方に正解はな無いと思っているけど、勿体ないことをしていたなとも思う。膨大な時間をかけて作り上げられた血と汗と涙の結晶である作品。読み手を意識し、緻密に練り上げられた文章の数々。これからは文章を通して著者と対話する、双方向的な読書をしていきたい。