まつばらぺこ "ムーミン谷の彗星 [新版]" 2026年5月21日

ムーミン谷の彗星 [新版]
ムーミン谷の彗星 [新版]
トーベ・ヤンソン,
下村隆一,
冨原眞弓,
山室静
ムーミンにこんな終末を感じさせる作品があるなんて思わなかった。ムーミン谷の彗星である。全体的に薄暗いというか不穏というかそんな印象。だって彗星が落ちてきて地球が無くなってしまうかもしれないのだから。  本作品はどうやらあのスナフキンやスノークのお嬢さんが初めて出てくる話らしい。初期の方の作品なのだろうか。エッチングのような黒い線で描かれている挿し絵が神秘的でなおかつかわいい。だけど近づく彗星のまがまがしさやハゲタカの絵は怖い。背景の森や川、火山は自然の雄大さが伝わる。一番好きなのはたどり着いた天文台の大きな天体望遠鏡の挿し絵です。あと川を船で渡る約50匹のニョロニョロ。なに?  正直言って私は日本産のアニメもムーミン観たこと無かったんだけキャラクターとしては好きだったし、お茶会をしているニョロニョロのポーチに一目惚れをして買った。謎なシチュエーションだなと思ってたんだけどやっぱするのかもしれないお茶会。  ニョロニョロから話を戻して。自称哲学者が「彗星が落ちてくる」と騒いで不安になったムーミン・トロールとスニフをムーミンママとパパが旅に出すというストーリー。児童書に自称哲学者の怪しい奴が出てくるのは攻めてる。出会いや戦闘もあり、王道(だと思う)の冒険物で面白かった。翻訳の柔らかい口調でこうなんか水があってる感じ。登場人物は種族や趣味が様々ないろんな奴がいるが、いろんな奴らがいるな、と思われながらそれぞれ好きなことやってる感じが好き。  あと色々な宝石が出てくるのが良いなと。真珠やガーネットの洞窟。ムーミンがお嬢さんにプレゼントした鏡の後ろに付けられたルビー。(貨幣経済はあるらしいけど)自然豊かな場所の尊いもの、大事な宝物である。という印象が描写にあって良いなと思いました。
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