鳥澤光 "遠くまで歩く" 2025年3月26日

鳥澤光
鳥澤光
@hikari413
2025年3月26日
遠くまで歩く
遠くまで歩く
柴崎友香
静かな読む時間のなかでパシ、パシ、パシと印象が変わる瞬間がある。 心や未来への視線を定めにくい感じ、静けさと小さな反動、これまでは知らないままだった新しい種類の親密さ(どの言葉が誰のものでもよいと感じる瞬間って確かにたびたびあるなぁと思った)、音楽との特別な関係も、この小説に書かれたものをコロナ禍という共通の体験を経たいま読むことができて幸せだと思う。時間は過ぎていくけど消えはしない。残りかたのひとつがこういう小説で人だって場所なんだ。 立川に住んだことがあるのに、近くの戦争遺構を訪ねたことがなかった。必ず行こう。 《誰かの視点からものごとを見られるのが、人間のおもしろいところだと私は思います》P96 《自分の時間が長くなると、周りの時間が前より短く思えてくるんですかね》P97 《すぐに収まりのいい言葉にしてしまうと、その膨大で詳細な体感が、前から知っている他のものに置き換えられるだけになるかもしれません》P153
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