
K野
@knocano
2026年5月21日
翠雨の人
伊与原新
読み終わった
借りてきた
感想
大正9年生まれの猿橋勝子は幼い頃から「雨とはなんだろう、なぜ降るのだろう」など世界の現象への深い興味を持っていた。
女学校を卒業し無難に就職したあとも科学への思いが止まず、遅ればせでの進学を果たす。
研究を経て中央気象台での勤務のなかで戦禍を経験した勝子はやがて欧米ソの水爆実験の影響の放射能汚染研究に身を捧げていく
伊与原さんの本を読むといつも、真の知性を持つ人はその根底に善性を持って合理的な選択をするものなのだろうと強く信じられて希望が湧く。
話の中に苦労はあってもエグい理不尽な悪意がほぼ見当たらない世界なので…アンディ・ウィアー作品を読む時の感覚に近いけど、たとえ困難があってもせめてこうあれよ、世界…!と言う思いでいっぱいになってしまう。
しかし今作は三分の二ほど読んだところで検索したら主人公の猿橋勝子さんが実在の人物だと知って衝撃を受けた。
面白いけど…!それは間違いないけど研究結果などの事実はともかく猿橋さんがどんな思いでいたかなどは想像によるフィクションなわけで…。実在した人の心を勝手に描いていいんだろうか、どんな感情でよめば…?と戸惑った。
ただそれも最後まで読み終えた時、敢えてこれを書いたのは大きなリスペクトと祈りなのかな…?この偉大な、偉大過ぎて利他に近い人生を送った人への。と感じた


