
もくず
@mokuzuuu
2025年3月21日

物語 チベットの歴史
石濱裕美子
読み終わった
苦難の歴史を歩むチベットの通史。古代から現在のダライ・ラマの時代の事まで知れる。
ガチの仏教国らしく、仏教のかなりの部分まで知らないといけないのかなあと身構えたけれども、著者の文章がうまいので、結構のことがわかってくる。
前半は神話に彩られた面白い話が多かったが、後半は大国にもてあそばれ、それでも独立を保とうとした国のありようを感じて、ただひたすら圧倒されるしかなかった。後半は泣きながら読んでいた。
そして何より筆者の熱量が尋常ではない。今まで中公新書の物語シリーズはいくつか読んだが、ここまで涙が出てくる名著は見当たらない。
帯にあるチベット僧が唱える菩薩の祈りをメモしておく。
世界が存在する限り
命あるものが存在する限り
私も輪廻の中にとどまって
有情の苦しみを滅することが
できますように



