本屋lighthouse "しき" 2026年5月22日

しき
しき
町屋良平
町屋良平ぜんぶ読むシリーズを再開。『ほんのこども』『恋の幽霊』と読んでみてどうも「肌」というものに町屋はなんらかの意識があるように思えたため、こちらもその意識をもって読んでみる。 「夜のにおい。夜の公園のにおい。夜の公園の夏のにおい。」という文章が38ページと62ページに出てくる。冒頭7ページでは「春のにおい。春の夜のにおい。春の夜の公園のにおい。」だった。この「におい」もしくはにおいを運ぶ風を感じる肌があり、世界と自分との境界が溶け込んでゆく感覚、もしくは逆にはっきりと異物として認識する感覚は、おそらく今日の私も頭痛を、そしてまるきり客の来ない店内の空気(の動かなさ)を通して体感しているのではないか。私の身体は今日の来客がほとんどないことを起床時から知っている。そして数日前からの自律神経のバグはいまだもとに戻らず、ふとしたときに世界が揺れる。世界が揺れる前と揺れたあとの自分が同一であるという確信はどうして得られるのだろうか、とプルーストなら言うだろう。
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