ななり "桜葬" 2026年5月23日

ななり
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@bluebook_mark
2026年5月23日
桜葬
桜葬
斎堂琴湖
ただ生きているという連続の中で突然降り掛かってきた理不尽に対して、飲まれてしまうのか、はたまた乗り越えていくのか、それは本人の強さや周りに支えてくれる人がいるかどうかで大きく変わってくるもので、当然前者よりも後者である方が望ましいとは思うのだけれど、では飲まれてしまったという結果やそうなってしまった人自身の弱さのみを取り出した時にそれを悪だと言い切れるかというと、少なくとも私には出来ない。どれだけ正しいとされる道や歩き方をしたところで、あるいはそうではあるからこそ余計にそうではない側が自分の立つ薄氷の裏側であることは鮮明に見えてくるものだから。読後に《罪を憎んで人を憎まず》というやや古風なフレーズが浮かんでくるようなオーソドックスで読みやすいミステリだった一方、伏線の配置と回収に相当のエネルギーが使われていて、もうひとつ人間に踏み込めていないようにも感じられました。
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